せめて一つだけ初心者サバのお願い聞いて♥️トリスタver まだ、ここへ迷い込んで二日も立たない。
初心者サバイバーはどんな形状のマップでも、天才でなければ一瞬で把握!何てとんでもない事出来るわけもなく、迷っている間に呆気なくキラーに担がれてしまった。
今日のキラーはトリックスター。
正直会いたかった相手の肩に担がれながら
ドキドキと胸を高鳴らせた。
『君に会うのは少しぶりだね?どう?迷子からサバイバーになった気分は?』
右も左も分からなくて最悪だ!なんて担がれながら
藻掻いては愚痴るこちらに視線を向け、にっこりと笑う彼の顔は本当に愛らしく、無性に抱きしめたい思いに駆られた。
少し身を捩り思い切って彼にお願いした。
『へ?吊られて良いから、
滅多に会え無い僕に、一つお願い聞いて欲しい?』
少し考えるなら彼は地下がある小屋迄こちらを運び、その場に降ろしたなら、視線を合わせる様にし、しゃがみ込んだ。
『お願いってなぁに?』
そう問われ、貴方の事を溺愛させて!何てとんでもない事を口走るならきょとんとするトリックスターは思わず吹き出した。
『あっはっは、溺愛って……!
僕君を殺すキラー何だよ??面白いね、君。
ふふ、でもその気持ち嬉しいよ?で?どうやって僕を溺愛したいの?』
そう言われ、金色の瞳で見つめられるなら少し躊躇いながらも伸ばした手で、彼のさらりとした緑と青のグラデーションのある髪を撫でた。
『ん、頭撫でてくれるんだ?何だかこうして誰かに頭撫でられるのって何時ぶりかな?』
はにかんだ笑顔と少し心地良さげに双眸を細めるその顔もまた可愛い。
あぁ、どうしよう、もっと可愛がりたい衝動に疼くと、そのまま彼の身体に飛びつくなら、勢い余って彼を押し倒した。
『おっと!?急に飛びついて来るなんて、
吃驚したよ。ふふ、僕を押し倒してこの後どうしたいの?』
彼の顔の横に両手を突く形で見下ろしていれば、
少し艶めいた視線を向けられ、問われた言葉に思わず、ごくりと生唾を飲み込んだ。
まずい、凄く無茶苦茶したい気分。
餓えた野獣じみた思考に端と気付いて必死に顔を振っては、その感情を濁そうとするこちらの頬に、彼の手が伸びた。
『もう何もしないの?』
甘える様な声音に、理性がぐらついて彼の顔をぎゅっと胸に抱いた瞬間に、背中に痛みを感じた。
『はい、サービスタイム終了♥️
……約束通り君の身体吊らせて貰うからね?』
そう言って、こちらの身体を押し抱えて地下へとご案内。
あぁ、遊ばれてる感あるけどそれでもいいや。
地下へ吊るされる迄の僅かな距離、彼の頭に抱き着いては背後に感じるフックに息を飲み、とんっと身体から離され突き刺さる痛みに一頻り悶え、ぐったりと身を預けてしまえば、彼は俯く此方の顔を持ち上げる様に手を添えて見つめた。
『また今度会えたら、もうちょっと
沢山遊ぼうね?約束だよ』
そう言って彼は、ウィンクするならそっとこちらの頬に口づけた。
あぁ、も、これだからこの人は……。
消え行く意識の中、彼の頬にそっと触れた身体は黒い爪に呑み込まれていった。