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    _kamadoenji59

    @_kamadoenji59

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    主にセンシティブなものを置く場所 疲労困憊の真夜中
    ❣️ありがとうございます

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    _kamadoenji59

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    アオ主短編、主視点。寝ている主に触れようとするアオガミと、まんざらでもない主の話。まだファーストキス止まりの二人。
    セリフ少なめ、後々修正してピクシブにまとめる予定ではある。💐🎉春🌅🌸spring💮🌷ですね、眠いですね

    SECRET「……これってさ、睡眠バステが残ってたりするせい?」
    「いや、受けたバステは戦闘終了後に全て残らず浄化済みだ」
    「……じゃあただの疲れかぁ……。ただの、どころじゃ、ないような……、眠……い……」
    「寮までもう少しだ、少年。部屋に着いたら眠るといい」
     真っ赤な夕日が街を染上げる、研究所からの帰り道。長く伸びた二つの影が歪んで見える。アオガミの腕にもたれる頭が歩く度にがくんと揺れる。手を繋いだままでいないと、本気でぶっ倒れそうである。
     ダアトでは時空がひどく歪んでいるせいで、こちらの世界での時間の流れは、ダアトにいれば2倍、3倍に。ひどいときはもっと差が出てくる。
     よって、今回は丸一日ダアトに籠もっていたはずが、(あくまで平均値を元にしたアオガミの計算上は)なんと約三日分行動したことになっていた。さすがにいくらナホビノの体は疲れを知らないと言えども、探索の途中で休息は定期的に取った。
     しかし、合一することで肉体の疲れが多少軽減されても、精神的な疲れはやはり三日分である。知恵を請け負うせいもあってか、いつも以上に頭が重い。寮の自室にたどり着くや否や、照明も付けずにふらふらと足取りは真っ直ぐベッドへ向かう。
    「少年、制服のままではシワになってしまう」
    「いいよべつに……だって学校ないし……」
     後ろをついてくる半身の声。あまり心配させるのも申し訳ないので、せめてもと上着だけ脱いで放り出す。
     電池が切れたように勢いよくベッドに倒れ込むと、跳ねる寝具と共にアオガミが少しびくっとした。……しかしすぐに深い呼吸を立て始める僕を見るとほっと息をつく。
    「……寝たか。一瞬君が突然死したのかと思った」
    「ひどー……、しんでませんー……」
     アオガミが床に落ちた上着を拾う。手際よくハンガーに掛けてクローゼットに仕舞う一連の動きを、僕はただ枕に突っ伏してうとうとと眺めていた。
     小さな声でお礼を言うと、こちらに戻ってきた。隅に寄せてあった布団が広げられ、僕を温かく包み込む。
     「今は午後6時だ。1時間半後に一旦起こすので、その時はとりあえず食事だけでも取ってほしい。……おやすみ、少年」
    「 うん……アオガミもおやすみ……」
     大好きな手で布団の上からぽんぽんと叩かれ、目を閉じる。


     驚くほど重たい疲労感が、呼吸によってその質量を増していく。あと少しで望む場所に落ちようとすると、ぎし、ときしむ音が鳴った。
     アオガミがベッドの縁に腰掛けたらしい。寄り添ってくれるのを嬉しく思った。ただ……
     ……強い視線がずっと僕に向けられている。
     ふいに、アオガミが動き出した。僕に気づかれたくないのか、恐る、恐るとひやりとした霊気を帯びる大きな気配が近づいてくる。布団をかけ直そうとでもしているのだろうか?
     頭の横に手が置かれる。どうやらそうではないらしい。もっと別の事、恐らく君だけの、誰にも知られたくない秘事。でもかすかな音で思いっきりバレバレだ。
     深淵と浅瀬の間で、寝たフリをしてみる。
     閉ざされた視界の中、よく見知ったものが僕に伸びてくる。胸が小さく鼓動を打つ。唇にそっと、ふにっ……と氷のようにつめたい指の腹が当たる。
     ……自然と息が止まる。薄紅色の上を不器用なアオガミの指先がそわそわとなぞり出す。
     繊細でやわらかい感触に、胸の奥がこそばゆい。
     暗闇の向こうで、また静かに空間がゆらめいた。さっきよりももっと近くにいる。眠気とときめきの中、甘い金縛りにあう。
     ……つい、この前初めて唇を重ねたときのことを思い出して、ん……と身じろぎしてしまう。
     と…………

     ………………アオガミの動きが止まる。

     ………………やっっべ…………。

     わずかながらも僕が反応してしまったせいで、まだ少し起きてることに気づかれてしまった。素早く静電気が走るかのようにアオガミの体は離れていく。……まって。身を起こしてつかまえようとしたけれど、背中にかかる重いだるさには打ち勝てなかった。
     気配が元の場所に戻る。惜しかった。ああ、動かなければもしかしたら……、続きを受け取れたかもしれない。
     さり気なく寝返りをうって両腕を顔に寄せる。ちょっとだけ、なんとか目をうっすら開けて、隙間から外を覗いてみる。
     ……僕の足元に座り直したアオガミが、自分の右手をじっと見つめていた。どうやら思い悩んでいるようだ。指先に視線を向けたまま、動かない。
     ほんとはまだ触れていたかったのだろうか。
     全然、それでもよかったけれど。……でも君は僕に触れることを、多分まだ遠慮している。お互いに好きだって分かった以上、もっと側に来てほしいのに。 
     少なくとも僕は、嫌じゃないのに……。

     …………間接的に、するのかな。

     勝手にそんなご都合主義なことを考えて見守っていたけれど、口元に運ぶことなく、やがて手を下ろしたアオガミはスリープモードに移行してしまった。沈黙が下りる。限界を迎えた僕の視界が、再びシャットアウトする。
     なんか、バレないようにーなんて、意外とかわいいことするもんだ……。寸止めされた僕は、早く君の行動の意図が知りたくて、じれったい……。
     起きたら、目が冷めたら。……まず君の手を取ろう。それと、久々に合一を解いた分、ぎゅっと君を抱きしめたかった。あとは……。
     頬が火照る。体中に重りを付けられ、為す術もなく、シーツの海に僕はぐんぐんと沈んでいく。
     浮上できるまで長いこと、待つ。

     ……起きたら、もう一度ちゃんと僕の想いを伝えたいなと思いながら……。


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