[α]dream 夢を見た。創世して以降出くわさない状況の夢。
はっきり言って悪夢だった。何度も寝返りを打ったし、首の後ろが汗で濡れて気持ち悪い。途中で何かを打った気もする。しばらくうなされてようやく開放された時には、もう日は昇っていて起きたも同然だった。
部屋を見回す。床に積まれた本の山。その隣で無防備に伸びるジャックフロストの寝姿。アマノザコはまた早いうちに出掛けたようだった。日が暮れるまで帰ってこないだろう。
「少年?」
聞き慣れた声の方を見ると、先にスリープモードを解除しベッドから下りたアオガミがいた。
おはようを言い合って身を起す。僕を見るアオガミが顔をしかめていることに気づく。
「……やはりいつもより顔色が悪いが大丈夫か?」
2025