求婚事件2清河に帰った後、孟瑶は機嫌がすこぶるよかった。貰った花束は執務室にある孟瑶の机に花瓶を置いて入れていた。毎日それを見て微笑む孟瑶。それに反し、明玦の機嫌は最悪だった。誰が見てもわかるくらいには。あまりにも機嫌が悪いため、とうとう刀霊の影響が出たのではと清河聶氏の修士達の間で噂されていた。
明玦は気持ちを落ち着かせるため、外で瞑想していた。誰かの足音がしたため、目を開けると孟瑶が竹筒と身体を拭く布を持って立っていた。
「お邪魔でしたか」
「いや、ちょうどきりがついたところだ」
孟瑶は持ってきたものを明玦に渡す。
「何か用でもあるのか」
「いえ、ただ最近ゆっくり話す機会がなかったので」
孟瑶は周りの修士達に明玦の不機嫌をなんとかしてほしいと懇願されて会いに来たのだが、どう切り出すべきか悩んでいた。すると明玦は立ち上がり口を開く。
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