金曜日の朝今日は朝からとても気分がいい
天気は快晴、そしてなんたって金曜日だ。今日を頑張れば週末、鼻歌も歌いたくなる。
同棲し始めて数ヶ月、する前から何となく思ってはいたのだがオレの恋人は朝に弱いらしい。同棲し始めてこれでも寝起きが良くなったとか本人は言う。
さて、朝ごはんの支度をしているのだがオレの恋人はまだ起きてこない。そろそろ起こしてやらないと遅刻してしまう時間だ。
昨日何してたかって?残念ながら”お楽しみ”ではない、オレの恋人は夜遅くまで残業だったので何も無かった、うん。
寝坊助さんを台所から呼んでみる…が少し待っても返事無し。もう一度呼んでやると眠そうな声で返事が返ってきたが起きた様子がしないのでもう一度。自分でも母親みてぇだと思うけどこれが1番効率がいい。
「ガチャリ」
とドアの開く音。
「起きてきたか」
オレの恋人、木暮がようやくリビングに登場。
顔洗ってから来るのか一番に来るかは本人の気まぐれ。今日は一番にこっちに来たらしい。
朝ご飯の支度もほぼ終わって木暮のもとまで行くと後ろ向きにされ緩く抱きしめられる。
知らない人にはどうしてわざわざ後ろ向きにしたか分からないだろう、木暮はオレが台所で朝ご飯を準備していると後ろから抱きしめておはようのチューをほっぺにしてくれるのだ。いわゆるルーティンだ。
これでオレの1日が始まるわけ。遅刻しそうでして貰えない日があったとしても、9割前日に”お楽しみ”済なので許す。
「おはよう三井…」
オレはこの後頬にキスしてくれる木暮のほうへ顔を向ける、そんでおはよう木暮って返事をす…
キスしてこない、何故。
いや木暮の事だ、たまにこういうイタズラを仕掛けるのだ。遊んでやがるな、まったくと思って木暮の方を見ると俺の肩ですーすー寝息をたてている。
オイ、オレの一日始まらねーじゃねぇか。どうしてくれるんだ。同棲数ヶ月目にして初めてのパターンだ。そうこうしてる間にも時間は過ぎていく。
当の本人は顔洗ってないし、髪の毛も遊びたい放題だ。
「あー!ほら起きた起きた遅刻すっぞ」
木暮を洗面所の方に向けて背中を押す。
おはようの返事くらいさせろよな
今日は金曜日。たとえ残業で遅くに帰ってきても風呂かご飯か、なんて聞いてやらねぇ。
速攻”お楽しみ”一択だ