Lay Down Your Arms 地鳴りが響く。あちこちから沸き上がるのは、鬨の声か、それとも嘆きの声か。
淀んだ水を蹴立てて、また突進してくる者がいる。ぐずぐずに肉が崩れて、骨もところどころ見えているというのに、力だけは熊みたいに強い。
――うんざりだ。
渾身の力をこめて殴ると、顎が吹っ飛んで、そいつは仰のけに倒れた。しかしものの十も数えぬうちに、また元通りになって襲いかかってくるのだから、始末に負えない。
そもそも、ここはどこなのか。赤黒い虚空を仰ぐと、その果てに岩肌のようなものがぼんやりと見える。だとすれば、おそらく地下なのだろう。
――死後の世界が地下にあるだなんて、あまりにありきたりじゃねェか。
ひきつった笑みが浮かんだ瞬間、首筋に衝撃が走って、視界が回転した。背後から斧でもくらったか。首を落とされ、胴もずたずたに斬られたらしい。
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