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    カミノ

    JE.LJ 杉うらくんに狂わされたオタクです。右側固定でたまに小話を書きます。

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    カミノ

    TRAINING①の続き。二人が話しているだけ。
    桑杉『fall dawn』②「マスター、彼に水のお代わりをくれ」
     客が減った店内で響いてしまわないよう、桑名は音量を抑えた声で追加の水を頼んだ。目の前には半分ほどになった水のグラスと、数時間前から減っていない酒のグラスが並んでいる。隣に座っている杉浦は、カウンターに両肘をついて目元を覆っている。桑名と違い、こちら側には空になったグラスが二つ並んでいた。
    「ぅ……今日はいけるかと思ったんだけどやっぱりダメだったみたい……」
    「いいや、俺が気がついてやれたらよかったんだ。話に夢中になっちまって、悪かったな。気持ち悪くはないか?」
    「うん、大丈夫、だと思う……」
    「無理はするなよ」
    「ありがと……」
     桑名の気遣いに対して、杉浦は弱々しく答えた。今日は平気そうだと桑名に付き合って数杯飲んでいたが、ある時から頭痛に襲われ始めた。そして顔は燃えるように熱く感じる。この分だと露骨に赤く染まっているだろう。ビールで平気だったからとワインに移行したのがミスだったらしい。酒に関しては神室町で鍛えられたと思っていたので、自分の許容量は把握しきれていると思っていた。疲れでも溜まっていたんだろうか。
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