◆memoirs◆むかしむかし、ある所に
真っ青な瞳をした青年がいました
彼はとても、とても強い
魔法の力を持っていました
あまりに強すぎる力のせいで
彼の放つ言葉は全て魔法となり
現実となってしまいました
彼はいつしか自分の力を恐れて
誰もいない町外れに
独りで暮らすようになりました
そんなある日、
人間と心を通わせる
不思議な生き物の噂を街で聞き
彼はその一匹を引き取ることにしました
長い間、独りで暮らしていた彼は
小さな友人と共に過ごす日々を
とても楽しんでいましたが
その一方で、どこか
寂しさを感じていました
そして、ある時、
こう“言って”しまったのです
「君が人間だったら良かったのに」