タイトル未定「あなたとあなたの弟は、おれが守ります」
「あはは、それは傑作だね」
目尻を下げ、口角を上げ、些か社交的すぎる笑みを浮かべ、南の国の魔法使いフィガロは笑う。注いだばかりのウィスキーを一口煽る。賢者の魔法使いに南の魔法使いとして選ばれ暫く経つ。元々交流のあったルチルやミチルはフィガロのことを頼れる先生として慕ってくれている。ミチルの誕生日の今日だって、祝われる側のミチルはフィガロに感謝を伝えてくれた。ルチルは
「フィガロ先生、よかったらお話ししませんか?」
と、夜更けにフィガロを尋ねてきて、2人で晩酌をしながらミチルの成長について話した。ミチルはフィガロと同じタイミングで賢者の魔法使いに選ばれ、新しい人間関係を築き成長している。ミチルの誕生日が祝福されることは彼の保護者の立場のフィガロやルチルにとっても嬉しいことであった。ルチルはミスラの、ミチルへの誕生日祝いの品の呪具の話をして笑っている。
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