召使いじろと御曹司さぶのパロ(書き出しだけ)山田財閥といえば、今や日本で知らないものはいない、超大金持ちの名家の一つだ。
山田家の現当主、山田零が精神を操る"ヒプノシスマイク"という世紀の大発明をし、莫大な資産と確固たる地位を築いたのが15年前。
そんな家に生を受けたのが山田三郎。齢14。
母は三郎が生まれてまもなく亡くなり、父は仕事でほとんど家に帰らない。召使い達に甘やかされて育った結果、三郎は生まれてこのかたマイクより重いものは持ったことがない超わがままな男児に育った。
「さ、三郎お坊っちゃま、おやめ下さい…っ!」
「誰だ僕の食事にセロリを入れたのは!!!もういい!ここにいるやつ全員解雇だ!」
「そっそんな!!!どうか…お許しください…!」
「時代が違えば首が飛んでいたところだぞ、僕の慈悲深さと時代に感謝しろ。早く出ていけ」
冷たい視線と容赦なく浴びせられる罵倒に圧倒され、召使いはひぃっと声を漏らし部屋から足早に退散する。豪華絢爛な広い屋敷に怒号が響く。これが今の山田家の日常だ。
5歳上の兄、一郎が2年前萬屋を起業し、家を出て行ってから三郎の横暴ぶりはさらにエスカレートしていた。
「はぁ、どいつもこいつも全く使えない…」
「今日も荒れてんなぁ…」
「うるさい、てか召使いのくせになんだその口の利き方は」
「はいはい、申し訳ございません三郎お坊ちゃま」
「失礼します。本日からここで働かせていただきます。山田二郎と申します」
「山田…二郎?僕と同じ山田の姓を持つのか」
僕と同じオッドアイの瞳、よく似た位置にあるホクロ。そしてどこか懐かしいような…そんな気がした。
「はい、幼い頃からよくこの家の息子だと間違われました。両親がおりませんのでずっと施設暮らしで…かの山田財閥の息子だなんて恐れ多くていつも困っておりました」
「…そうか、同じ苗字でもここまで境遇が違うとは皮肉なものだな。…まぁそんなことはどうでもいい、ちょうどボードゲームの相手が欲しかった。二郎、お前相手しろ」
「は、はい…かしこまりました」
ある日、名の知れた財閥、山田家の召使いとして働くことになった二郎がお世話するのは、超わがまま御曹司の三郎だった。
そんな三郎に対して二郎なりに真摯に向き合い次第に仲を深めていく2人だったが、実は生き別れの兄弟だったことがわかり…!?
みたいな妄想の最初だけ考えたやつでした。