バレンタイン主刀本丸2022~3Pオチなんてサイテー!~ 二月半ば、そこそこの質量と想いが詰まった紙袋をいくつか両手に持って門の前に立つと、ああ、もう今年もそんな季節だなあ、と審神者は思う。そして、本丸の外で貰ってきたあれこれの運搬を、護衛の数振りは決して手伝ってくれない。初期刀などはあからさまにそっぽを向いているので、可愛いやら、呆れるやらだった。
「俺、清光が唇尖らせてるの、可愛くて好きだな」
「……ばか」
そんな他愛もないやり取りをして、さて、と門をくぐる前に、ゲートがけたたましく反応して手荷物の半分ほどが廃棄処分となる。微量、それこそ素人のおまじない程度のものでも、呪術の気配があるもの、普通に毒物であるもの、血液反応があるもの、飲み込んだ瞬間爆発するもの、そういう類はここで弾かれる。
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