プロメテウス その日は御影先生の誕生日で。だから私は毎年恒例のプレゼントを、ウキウキと用意した。
しかし困ったことに、今、私は、それを気軽に渡せる立場にいない。はば学を昨年、卒業してしまったからだ。
わざわざ会いに行く? もちろんそれはやぶさかではない。でも、一人で? ただの元・教え子が?
少し敷居が高いと感じた私は、親友たちを巻き込もうとした。
夜ノ介くんと、一紀くん。しかし彼らの返答は、冷たくそっけないものだった。
公演の準備があるから、バイトとテスト勉強があるから。そんな塩対応。
「お世話になった先生なのに!」と責めれば、「また来週、遊ぶ約束してるじゃないですか」とか「僕は学校で会えるし」とか、言い返された。
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