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    123qazzaaaa

    @123qazzaaaa

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    123qazzaaaa

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    異世界転移した坂田が姫プされる小説を書こうとしてました。異世界もののノリです。
    途中で終わります。
    なろう小説が苦手な方はバック推奨
    坂田が補助系の魔法しか使えないとかいうとんでも設定で、いつも通り坂田が女々しくてぱちぐらの漢気が凄いです。

    『坂田銀時(27)、異世界転移したと思ったら姫プされてます。』「あの、なんか知らない街が見えるんですけど。なんかよく分からない建物が見えるんですけど。これってもしかしなくても、僕らまた厄介なことに巻き込まれた感じですよね」
    「ひゃっほー! 見るネ銀ちゃん! あのおっさんでっかい刀みたいなの持ってるアル! 杖持ってるヤツも居るアルヨ!」
    新八が呆然と眺める視線の先には、江戸の風景とは似ても似つかないレンガ質の建物がずらりと立ち並んでいて、神楽がはしゃぎながら指を指した先には、屈強な体を持ちいかにも戦士といったような顔つきをした男が歩いている。傍には妖艶な雰囲気をまとい杖を持つ巨乳美女の姿もあった。
    いつもなら美女の豊満な胸に視線を奪われ、速攻生まれ持った素晴らしい話術を駆使し口説きに行くのだが、あいにくそんな余裕はなかった。
    何故なら、本当に己は――異世界転移というものをしてしまったのだ、と理解してしまったからである。


    暫く依頼の入っていない万事屋は暇を持て余していて、そして金もなかった。
    だから久方ぶりに来た依頼を、内容をろくに確認もせず二つ返事で了承してしまったのだ。今思えばその判断が間違っていたのだろう。
    依頼主の男は万事屋3人を指定の場所まで連れていくと同時に、その場所に隠してあった機械を作動させると、突如機械から眩い程の光が零れ当たりを照らした。
    今までいくつもの場数を踏んできた万事屋でも咄嗟に機械から漏れ出た光を避けることは出来ず、3人はもろに光を浴びてしまい、新八と神楽はそのまま意識が飛んでしまったのだ。
    何とか意識は保った銀時だったが、気を抜けば直ぐに2人のように気絶してしまうような状態だった。
    依頼主はそんな銀時を見て目を見開くと、ぱんぱんと乾いた拍手をした。
    「素晴らしい、あの光を浴びながらまだ意識があるとは。流石は白夜叉と呼ばれる人間ですね。こちらの想像以上だ」
    「……ッ、てめ、何が目的、だ」
    息を切らしながら何とか言葉を絞り出すと、男は余裕な態度で薄く笑みを作った。
    「そんな怖い顔をしないでくださいよ。そうですねぇ、我々の目的はお話出来ませんが、ここまで意識を保ったあなたへ特別に、これから起こることを説明して差し上げましょう」
    「…はァ、……ッ……これ、から……おこる、こと?」
    「えぇ。あなた方はこれからとある世界へ転移して頂きます。そこではこの世界と違い、魔法文明が発達していましてね。こちらでいうドラクエ的な感じの世界です」
    「……ッ、ハッ……ドラクエ、ねぇ……ッ……」
    突拍子のない話を鼻で笑うが、依頼主の様子からこの話が嘘ではない事が伺い知れ体に悪寒が走る。体力的にも無理やり意識を覚醒させ続けているこの状態は厳しく、いつの間にか体の震えが止まらなくなっていた。
    「おやおや、だいぶ辛そうですね。では簡潔に行きましょうか。あなた方にはそこで冒険者となって生活していただきたいのです。無理になれとは言いませんが、冒険者にならなければあなた方がこの世界へ戻れる確率は皆無に等しくなるという事はお伝えしておきましょう」
    「……っ、……ぅ…」
    「難しいことは言いません。ただ、あなたは冒険者としてモンスターを倒しているだけでいいのです。あとは――世界が何とかしてくれる」
    男は今までの薄笑いとは違う、悪人じみた笑顔を浮かべながら芝居がかったような口調で言った。しかし銀時の体は既に限界を迎えていて、もう朧気にしか男の言葉が理解することができなかった。
    「……ぁ……」
    「もう限界みたいですね。では万事屋さん、健闘を祈ります。――私と会う前に、死なないでくださいね」
    その言葉を聞いた後、意識は真っ黒に塗りつぶされた。

    そして次に目覚めたら、この見覚えのない場所で2人と立っていたという訳だ。
    改めてこの状況について考えると、額を冷や汗が伝った。
    男が言っていた通りならば、ここで冒険者とやらになってモンスターを倒さなければ元の世界に帰れないかもしれないのだ。
    しかし、銀時だけならまだしもここには新八と神楽がいる。己が倒さなければいけないモンスターは、つまりは化け物である。退治には当然危険が付きまとい、銀時はそれに2人を巻き込みたくはなかった。
    ちらりと2人の様子を伺うと、一見いつものように明るく振舞っているが、見知らぬ場所にいるという不安は隠しきれていなかった。いくら2人がそれなりの場数を踏んできたからといって、やはり10代の子供なのだ。
    銀時は数分間考え込んだあと、子供たちに向かって口を開いた。
    「オーイ、聞けおめェら。えー、銀さん達はまた変なのに巻き込まれました」
    「やっぱりかヨ」
    「ですよね」
    「それでだ。俺たちをこんなとこに飛ばしてくれちゃったクソ依頼人様が言うには、この世界で冒険者になってモンスター――バケモンを倒しまくりゃァ俺たちのいた世界に戻れるかもしれねぇらしい」
    「マジでか!」
    「良かった、戻れる方法あるんですね! 冒険者か……僕、刀くらいしか振れないけど大丈夫かな」
    「ふっふっふ、心配すんなヨぱっつぁん、私の拳が火を吹くぜアル!」
    戻れる方法があると知って2人の顔から不安が少し取り除かれる。冒険者になる気満々、と言った2人に、銀時は更に言葉を続けた。
    「いや、テメェらは留守番だ」
    「……は?」
    2人のドスの効いた声が重なる。銀時がその声色にギョッとすると、子供達は銀時に詰め寄り胸ぐらを掴み上げ、同時に大きくため息をついた。
    「はぁ、全くアンタって人は……。ようやく黙って行動する癖が治ったと思ったらこれだよ」
    「私は銀ちゃんをこんなこと言う人間に育てた覚えはないアル!」
    「いやお前に育てられた覚えはねェけど」
    「口答えするんじゃないよ! 全く、アンタは口を開けば反抗してきて……アタシの言うことくらいちゃんと聞きなさい! お母さん悲しいわ!」
    「いやお母さんんんんん!?」
    大声でツッコミを入れると、辺りの人間の視線が一気にこちらへと突き刺さる。子供2人に胸ぐらを掴まれている27歳の絵面はさぞ面白いんだろうなぁ、なんて現実逃避していると、ようやく掴まれていた服を離された。
    やっと解放された、と一息ついたのもつかの間、今度は神楽に首根っこを掴まれそのままずりずりと移動させられてしまった。
    「え、ちょ、神楽ちゃんんん!?」
    必死に抵抗するも、神楽の怪力には全く叶わずそのまま土煙を立たせながら引きずられていく。
    「おい、神楽ッ、どこ行く気だよ!」
    「冒険者ぎるどアル」
    「へ?」
    「ぎるどってとこに行けば冒険者になれるんでしょ。私本で読んだことあるアル」
    「幸いこの世界の文字は僕たちにも読めるみたいですから、看板見てればいつかは着きますしね」
    「そういう問題じゃねぇんだよ!」
    ――まさか子供たちは自分と共に危険の伴う冒険者として行動する気なのか。
    一気に顔色が悪くなるのがわかる。もしこんな所で2人を怪我させたり死なせたりでもしたら、2人の家族に合わせる顔がない。
    「ほんと、待てってお前ら」
    「待たないアル」
    神楽はいつになく低い声で言った。そこには怒りのような、悲しみのような感情が込められている。
    「私達が留守番しろって言われて素直に待ってられる性格だと思うアルか。私達が銀ちゃんが傷つくかもしれないのに安全な場所で待ってられると思うアルか」
    「それは……」
    「銀さんが僕達の安全の為に留守番しろって言ったのは分かってます。でも、銀さんの安全は? 銀さんが怪我でもしたら? 銀さんが危険な目にあってるのに自分達は安全な場所にいるなんて、僕らは我慢できません」
    「……ッ」
    神楽と新八の言葉が心に刺さる。
    未だ神楽に引きずられ続けている銀時は、しばらく考え込んだ後、目をつぶってボソリと呟いた。
    「……わーったよ。ただし絶対に無理すんじゃねぇぞ。少しでも無理してると俺が思ったら即刻軟禁だからな」
    「ありがとネ、銀ちゃん」
    神楽はしんみりした声で言うと、今まで銀時に向けていた視線をギュインと前へとずらし、走る速度を上げた。その結果、先程とは比べ物にならないほど大きく揺さぶられる。
    「オイイイイイ! 馬鹿! 速度あげんな! もげる! 銀さんの銀さんがもげるゥゥウ!!」
    「あ、銀さん、見つけましたよ冒険者ギルド!  そこの角を右です!」
    「ちょ、今それどこじゃねぇって」
    「よっしゃァァァ! 全速前進アル!」
    「嫌ァァァァ!! 速度落とせってエェェェエ!!」

    「ぼ、冒険者ギルドへようこそ。依頼書の発行をしたい方、または依頼をお受けになりたい方は右のカウンターへ。冒険者カードの作成や更新をご希望の方は左のカウンターへお進み下さい」
    体がボロボロの銀時を見て顔を若干ひきつらせながらも、受付嬢はお決まりの文句を口にした。

    新八が見つけた冒険者ギルドは想像よりも大きく、この世界での冒険者というものの規模が窺い知れた。
    建物の中には、バトルアックスを持った屈強な戦士や軽装を身にまとい弓を下げた人など様々な職業の人間が所狭しと存在していて、思わず圧倒された。
    3人は取り敢えず辺りを見回しながら、受付嬢に言われた通り冒険者カードを作るため左のカウンターへと向かう。
    受付嬢の言葉から察するに、この世界では冒険者カードというものがなければ依頼などが受けられないのだろう。先程座って酒を飲んでいた男のカードを盗み見たが、ステータスやらスキルやらのことについても書いてあったので持っておくに越したことはない。
    「冒険者カードについてなにかご用でしょうか? こちらではカードの作成、更新を主に取り扱っております」
    カウンターに座っていた受付嬢がこちらを見つけ話しかけてくる。その言葉の内容に興奮したのか、神楽がハイテンションで答えた。
    「私たちカード作りたいアル! 最強の冒険者になるアルヨ!」
    「分かりました、カードの作成ですね。それではまずこちらの水晶に手をかざしてください」
    そう言って受付嬢はカウンターに置かれていた透明な水晶を指さした。豪華な装飾が施されているそれは、確かに何か特別な力の様を感じる気がするものだった。
    「この水晶は手をかざした人のステータス測定や魔力測定、スキル測定が可能で、その人がどんな職業に就けるかをこちらで診断させていただく為のものでもあります」
    「ふぉぉぉお! 面白そうアル! 私1番乗りするネ!」
    説明を聞いた神楽は好奇心が抑えきれないといった様子で、わくわくしながら水晶に手をかざした。すると水晶は眩いほどの光を放ち、その光が収束する頃には水晶の上に文字が浮かび上がっていた。
    「どれどれ……って、こ、このステータスは!?」
    文字を確認していた受付嬢は突然大声を上げた。顔は驚愕に満ちていて、手も若干震えている。
    「信じられません! 筋力ステータスが最大値100、他にも敏捷性が95、体力が98……! 魔力は平均以下ですが、そんなの気にもならないくらいの高ステータスです! スキルは……高速自然治癒に、『夜兎』……? 聞いたことがないスキルと言うことは、まさかユニークスキル!? ふぁっ私もう倒れそうです」
    「だ、大丈夫アルか? えっと、私強いって事?」
    「強いってレベルじゃありませんよ! こんなの勇者に匹敵する位の、とんでもない強さです! 私は拳闘士――ストライカーになることをオススメします!」
    「スゲェな嬢ちゃん。どデカい期待の新人が来たみてェだな!」
    「あんなにちっちゃくて可愛いのに凄いわ!」
    「わーい! 銀ちゃん、新八! 私強いって!」
    「……」
    「……」
    「……あの、この後僕ら超やりづらいんですけど。どうすんですか、もうこの場の雰囲気お祭り騒ぎですよ。次僕らが診断して普通の結果だったら白けますよ」
    「言うなぱっつぁん。男にはなァ、危険って分かってても突っ込まなきゃいけねぇ時があんだよ。それが今だ」
    「嫌だァァァァァ!! そんな男気の見せ方嫌だよォオオオオ!!」
    予想していなかった神楽の高ステータスと場の雰囲気に新八が叫ぶ。しかしいくら大声を出したところで診断を回避出来るはずもなく、どんちゃん騒ぎの中熱い視線で見守られながら新八は渋々水晶に手をかざした。
    新八が手をかざすと神楽の時と同じように眩い光が辺りに広がった。やがて光が収束し、水晶の上部の空間に文字が浮かび上がってくる。
    「では拝見しますね……!? こ、これは!?」
    あれ、なんかデジャブだなと銀時が思っていると、またしても受付嬢は叫んだ。
    「信じられません……! 全てのステータス値が88です!! こんなにバランスの良い高ステータスは初めて見ました! さらにMPも888……魔法を行使する上級職、賢者と同量、いえそれ以上のMP量です! 取得できる魔法の種類は攻撃系のみですが、とても大きな戦力です! それにユニークスキルであろうこの『ツッコミ』というスキル。これらを踏まえて考えるに、全てのステータスが高水準なので、職業は魔法剣士――マジックフェンサーなどいかがでしょう!」
    「は、はい。じゃあそれで」
    「うおおおおぉ! すげーな兄ちゃん!」
    「魔法剣士なんて滅多にいねぇのにやるなァ」
    「えへへ、どうも」
    「オイテメェ新八ィィィィィ!! 裏切りやがったなぁァァァァ!!」
    「しょうがないじゃないですか! 僕が意図してこうなったんじゃないんですから!!」
    「テメェにやけてんの隠せてねーんだよ!!!」
    新八のにやけた顔をつまみながら先程の新八よろしく叫ぶが、内心は冷や汗だらけだった。2連続で高ステータスをたたき出しやがった子供たちのせいで、周囲の銀時への期待が恐ろしく高いのだ。これで普通のステータスだったら場の雰囲気がどうなるか考えたくもない。
    「では最後にそこの方、水晶に手をどうぞ」
    「お、おう……」
    野次馬たちと同じように期待に満ち溢れた目をした受付嬢に言われるまま恐る恐る水晶に手をかざすと、毎度おなじみ眩い光が放たれ数秒後に消えていく。そして水晶の上部に浮かんだ文字に受付嬢が目を通していった。
    せめて平均くらいはあってくれ俺のステータス、と銀時は祈ることしかできなかった。
    「こ、これは……!」
    受付嬢がワナワナと震える。それと同時に銀時はゴクリと喉を鳴らした。
    「す、凄いです! 魔力量が……9999!? こんな数値を記録した人は歴史上にもいませんよ!?」
    「はーマジでか!? 良かったうんそうだよね銀さんジャンプの主人公だもんね! 最強だもんね! ビビって損したわ!」
    「信じられません……! この魔力量ならどんな魔法でも打ち放題ですよ! ただちょっと残念なのは、取得できる魔法が回復魔法や補助魔法だけという点ですかね」
    「うんうん。……ん?」
    「あとは筋力と敏捷性、それから体力ステータスが乏しいですね。この数値がゼロに等しいので、剣などを使う職業、つまりは前線に立つのは厳しいかと」
    「……え」
    「でも安心してください! 回復魔法で歴史上まだ使用可能者が現れていない最上級魔法が、あなたの取得可能魔法に含まれています。これはとんでもなく凄いことなんですよ! それに補助魔法を使える方は極わずかでとても貴重なんです!」
    「ちょ、待って」
    「そして極めつけはスキル『魔法創造』! 魔力を大量に消費する代わりに新たな魔法を作れるスキルなんですが、これを発現できたのはなんと今までに3人しか居ないんです! この魔法創造は補助魔法しか作れないという制約はありますが、それを差し引いても強すぎるスキルです! そしてもう1つスキルがあって、それはユニークスキルだと思うんですが、文字化けしてしまっていて読めなくて……。こちらでお伝えすることが出来なくて申し訳ないです」
    「……嬢ちゃん、ちょっと待ってくんね」
    「ど、どうされました?」
    受付嬢が狼狽えながら問いかけるが、そんな受付嬢の様子を気にする余裕は銀時にはなかった。
    ――前線に、立てない?
    銀時が前線に立たないで他に誰が立つのだというのだろうか。誰が子供たちを守るのだろうか。
    「俺が前線出れねぇのって、ホント?」
    「え、えぇ、そうです。こればっかりは仕方ないですね。このステータス数値では絶対に前線は無理です。なんせ、筋力ステータスが低すぎて剣が持てませんから」
    「……っ」
    剣が持てない。つまりは刀も、木刀さえも今の銀時は持てないというのだ。
    そう思うと、腰に差してある洞爺湖がドクリと重くなった気がする。本日何度目か分からない冷や汗が吹き出る。
    「銀さん、大丈夫ですか」
    顔色を悪くしたことに気がついたのか、新八が心配そうに銀時を見つめる。神楽も銀時の手を優しくぎゅっと包み込んだ。
    そして碧の瞳が銀時の柘榴色と交差する。
    「ねぇ銀ちゃん。銀ちゃんは刀が握れなきゃ今私たちのこと守れないと思ってそんなに不安そうなんでしょ? それなら心配いらないアルヨ。私たち、ごっさ強いネ!」
    「それに、力だけが」
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