その日はとても清々しい天気だった。どこまでも広がる晴れ空にふっと夜の気配が差し込み、夕焼け空を暗く染め上げていく。決して空気が綺麗とは言えない環境だとしても、誰しもこの素晴らしい空の元で世界一、いや宇宙一プリティーでセクシーな彼女と共にいられたならそれはもう最高の気分だろう。
そう、この男だってそうだ。
だらしない笑みをこぼし、BFは頬をでろでろに緩ませながら気分良く自分の家へと向かう。愛しいBabeと最高の夜を共にすることができないのは心残りだが、それでも今日という1日はとても素晴らしい時間だった。
───そう、確かにさっきまではそのはずだったのだ。
***
「家が燃えてたですって?!?!」
GFはそう叫んだ後、ハッとしたように口元に手を当てた。そんな彼女を母親が横目で見ながら歩き去る。
1930