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    chiya1918

    @mi_chiya

    @chiya1918昭和5○生まれ、腐歴20余年にしてほぼ初めて少年漫画ジャンルの沼にハマってしまいました。👹は、💎🔥/🍃🔥/🎴🔥/🔥さん右固定がベースですが、リバも大丈夫です。歳食ってる割に不慣れなのでご迷惑をおかけしたら申し訳ございません。界隈の騒動に配慮して、ツィフォロワ限定にさせて頂きました。お手数おかけします、申し訳ございません。

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    chiya1918

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    リハビリ的な💎🔥さん、続きます。最終的には💎🔥さんハピエンですが、💎弟煉な要素もあるお話を目指してます。

    #宇煉
    uRefinery

    花の匂い“永遠のさよなら”をしても
    あなたの呼吸が私には聞こえてる
    別の姿で同じ微笑で
    あなたはきっとまた会いに来てくれる


    初めて口づけを交わした場所は、赤い彼岸花の花畑だった。
    最初で最後の誕生日祝いに、当時は珍しかったビロードのように深い紅い薔薇をやった。
    赤い花、アイツの着物からはいつも山茶花の淡い匂いがした。
    お前を喪って、冷たくなった頬に手で触れて、唇に唇で触れて、それきり。
    お前の存在がこの地上から無くなってしまっても、俺にはお前の呼吸が聞こえていた。
    赤い彼岸花が花弁を震わす音、店先の紅い薔薇が水を吸う音、それと山茶花の匂い。
    そうやって俺の生きる日常に、お前はいつだって居てくれた。
    激しい雨音で、お前の呼吸が聞こえなくなる夜だけは、千寿郎から譲ってもらったお前の着物を抱いて眠った。
    3人の嫁達も、それについて何も言わなかった。


    俺の“初恋”は黎明に散り、永遠になったのだ


    俺は初恋の記憶を残したまま、今の時代に生まれた。
    煉獄は隊服に炎の意匠を施した羽織り姿ではなく、俺が通う学園の中等部の制服を着て、俺の前に現れた。
    別の姿で、同じ微笑で。
    煉獄は15歳、俺は18歳になる直前だった。
    アイツは中等部の剣道部主将で、俺もまた音柱ではなく、絵を描くのが好きなフツーの高校生だった。
    「フツー、ではないな!」
    センセー達はいつからトモダチなの?と言う、女子生徒達の他愛もない質問に、創作活動の片手間に答えてやっていた。
    始業のベルが鳴り、生徒達が廊下を駆けていく足音を聴きながら、俺は描きかけのキャンバスから顔を上げた。
    「フツーじゃないって?」
    「ー…バレンタインに50個もチョコを貰うなんて、フツーの高校生ではないだろう!君はあの頃から女性にモテてていたな!」
    苦笑交じりにそう言って煉獄は部屋を出て行こうとする。
    次の授業はアイツも空きコマだ、引き止めようと俺は立ち上がった。
    「お前、次空いてんだろ?コーヒー淹れてやるよ。付き合ってくれたお礼だ、」
    煉獄は振り返って笑顔で頷く、いつもはキリッと上がった太い眉が緩やかに下がり、存外小さな口元が可愛らしい。
    アイツと出会ってから、もう何度この笑顔に心を奪われたことだろう。
    バレンタインにチョコを50個貰っても、週1ペースで告白されて、月1ペースで付き合っても、結局未だ初恋を燻らせているのだ、俺は。


    記憶ならある、アイツはそう言っていた。


    「ー…ただ少し、曖昧なんだ。昔も今も、考えても仕方が無いことは考えなかったせいだろうか…?」
    眉を下げて、戯けた様子でそう言って笑った。
    はたして、それが真実なのかは判断がつかない。たしかにアイツは気持ちの切り替えが早いヤツではあった。
    少なくとも皆の前では。けれど記憶力だって抜群に良くて、細かい事までよく憶えている一面もあった。

    それきり、だから2人の間にあった“初恋”という、あの淡い感情について互いに口にはしないまま、俺たちは大人になった。


    「今回は紫陽花か!君の絵はいつも花が描かれているな。主題も素晴らしいが、俺は君の描く花が好きなんだ!」
    アイツの言う通り、俺の絵には必ず花がそこに描かれている。
    いつの間にか、“花のアーティスト”なんて異名を世間からもらっていた。
    キャンバスの向こうには、実家から持って来た紫陽花が花瓶の水を吸って、呼吸をしていた。
    今生でもそんな音さえ聴こえる、眼の前で笑う親友で、片思いの男の心音でさえ。
    煉獄の心音はいつだって、規則正しかった。
    俺を想ってそれが跳ねたり、早くなる、そんな瞬間は手の指で数えられてしまう程しかなかった。
    「ー…綺麗な色だな、」
    かつては日輪刀を握っていた、短く爪を切り揃えた美しい指先が花片に触れる。
    「気に入ったならやるよ、」
    「…いや!こんな美しい紫陽花は高価だろう!それに、花とは男ではなく、美しい女性達に贈るものだ!」
    俺はお前にやりたいんだ、と言う言葉を、今日も飲み込んで俺はキャンバスから顔を上げて立ち上がった。
    「ー…贈る相手なんていねぇよ。」
    アイツの傍らに立って、黄金色の髪の隙間から覗く横顔を見つめる。
    煉獄が俺を見上げて、俺はアイツを見おろして、瞼の奥に彼岸花の花畑が映った。
    「ー…宇髄?」
    首を傾げたアイツが俺を呼ぶ。
    「まだ描きかけだから、終わったらやるよー…捨てちまうよりいいだろ?」



    なぁあの頃は、さ
    花の匂いが、息遣いが、喪ったお前を感じられる全てだったんだ
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