同じ場所に立つとわかる 定時をとっくに超えた夜半前、ルッチは執務室に続く廊下を足早に歩いていた。
詳しくは言えないが、今日の任務はものすごく精神的に疲弊した。極秘とのことで、あのバカを同行させられなかったことも疲労の原因の一つだ。どちらかというと自分より弁の立つスパンダム向きの仕事であったが、同行させるにはスパンダムの階級が足りなかったのだ。本音ではとっとと休みたいが、これから管理職業務(書類)をしなくてはならない。
仕方なく執務室に戻ると数人の部下がまだ仕事をしていた。スパンダムは見当たらない。
苛立ちながら机の上を見ると、山積みであるはずの書類がなかった。
あぁ、あの書類ならスパンダムさんが片づけてましたよ。スパンダムさん、管理職経験があるから心配しなくても大丈夫ですよ!
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