真夜中は君の色「ねえ、おかしくないかな」
琥珀色の瞳が少し不安げにヒュンケルを見つめている。同じ目線まで身を屈め、着せてやったばかりの服と細やかな装飾品を改めて確認したヒュンケルは、末の弟弟子を安心させるべく微笑んだ。
「大丈夫だ、どこも汚れていない。リボンタイも曲がっていないし、ブローチも肩章もしっかりとついている」
「ありがとう。でも、そういう意味じゃないんだ」
首を傾げる兄弟子を見上げながら、ダイが少し困ったように笑う。
「えっと……おれ、こういう服着るの初めてだから……」
はにかんだ表情に、ヒュンケルはようやくダイの質問の意図に気づいた。
「よく似合っているぞ、ダイ。きっと皆もそう言うはずだ」
「ありがとう、ヒュンケル」
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