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    nagi1720

    らくがきぽいぽいするところ。真壁一騎をキメがち。メモは考察だったり備忘録だったり。

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    nagi1720

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    無印を見返して気づいたこと 真壁一騎とエレメント、島のミールについて。

    乙姫は岩戸に戻る前にこう言った。
    「その前にミールに教えてあげないと。生命にとって、終わることが、新しいはじまりであることを。生と死が、ひとつのものとして続いていくことを」

    それを受けて史彦がこう言う。
    「いずれ島のミールが完全に生命の循環を理解すれば、この島は地球と同じ存在になり、宇宙でも、海の底でも、我々を生かし続けるだろう」

    乙姫はそれを否定しなかった。
    ならば史彦の言葉は未来において真実なのだろう。

    生と死の循環はこの世界ではミールが生命を学ぶために知らなければならない事象だ。
    無印以前の歴史では、ミールは「産まれなければ死ぬこともない」と日本人から受胎能力を奪い、未来にある死を失くそうとした。
    EXODUSでは、ミールは乙姫から生と死を学びながらもまだまだ理解しきれておらず、「姿形が変わっても生命さえ守られればいい」とパイロットたちにSDPを与え、一騎を「死を超越した存在」にした。
    どちらもミールからすれば善意だったのだろうし、単なる命としての「生」と「死」というだけなら、生きることを望んだパイロットたちに生命を守る術としてSDPを与えたことは間違ってはいなかった。

    だが、人として生きたい者にとって「人として生きること」ができなければそれは「人としての死」である。
    ミールの与えたSDPは、パイロットたちにとってまさしく「人としての死」だった。
    このあたりは見た目が変化して人前に出られなくなったみかみか、突然眠りにつくため何度か生命の危機にさらされた里奈、普通の人間として生活できなくなった芹などが特に顕著だ。ミールの思惑とは裏腹に、実際には生命を落としてしまったカノンという例もある。


    ここでBEYONDでの芹を思い出す。
    彼女に対し、ケイオスは「エレメントですらない人間が!」と叫んだ。
    正直、初見は首をかしげた。
    島の中に封じられたとはいえ、空気もない海の底で何年も眠り続け、それでも生きていた者が。一度生命を失い、SDP=フェストゥムの力で甦った経歴のある者が、もはや人間と呼べるのか?それは良くてもエレメントと同じ存在なのでは?と思っていたのだが、

    「いずれ島のミールが完全に生命の循環を理解すれば、この島は地球と同じ存在になり、宇宙でも、海の底でも、我々を生かし続けるだろう」

    そう、海の底でも、地球そのものとなった島が芹を人として生かし続けていたのだ。
    島のミールは、人の、人としての生と死の循環を完全に理解し、人としての芹を守り、生かしていた。

    芹は復活以降、ファフナーに乗っているとき以外、SDPを発動していない。
    「生命を頂く副作用」として生身でもところ構わず発動していたSDPだったが、近藤家の墓参りに同行した時も、というかそもそも墓を作れている時点で触れた遺体や墓標を同化していないことになる。
    (※とはいえ芹のSDPに関してはコアに触れていれば発動しないのかそれとも傍にいさえすれば発動しないのかが曖昧なのでちょっと甘い考察)

    芹は永い眠りの間に「人の生と死の循環」を完全に理解した島のミールによって生命を守られ、人としての生を新たに得ることができたのではないか?

    それが、島のミールの、新たな祝福だとしたら。

    それなら、沈む以前の島のミールの祝福によって死を超越した存在となった一騎も、今のミールの祝福によって人に成ることができるのでは?


    そしてもうひとつ。
    アルタイルは美羽との対話によって「美羽という個」「アルタイルという個」であることを理解し、それを己の祝福とした。
    フェストゥムを含めた世界中が個として祝福されることとなった。

    「個」とは「だれかと同じではない」ということ。
    セレノアの同化によって奪われていた真矢の右目はアルタイルの祝福によって視力が戻り、
    同化されかけていた彗、また、完全に一騎に同化され無に還っていたレガートは自身の生命を取り戻した。ケイオスに同化され、人ではないもの(島のパイロットたちが躊躇いなく倒しているため、完全に人と違うものになっていたと確信)となっていたソルダートたちも人に戻ることができた。
    (※同化現象が消えたなら指輪の跡も消えなければおかしいのではないか、という点がひっかかるが、「ファフナーは違う自分になる」という点からあくまで「自分だった証」として残っているのではないかと推察。これは後述の要素にも関わる)

    アルタイルは眠っていても島のコアに影響を与えるほどの力を持っている。
    その影響で朔夜が産まれた。それは以前のコアとは決定的に異なる生命が島で産まれたということ。

    輝夜と朔夜が産まれたときにやっと、島は「人の個としての生と死」を理解したのではないか。
    そしてアルタイルと美羽の祝福により、それは確定的なものとなった。


    そしてその祝福は、人とフェストゥムだけでなく、エレメントである一騎・甲洋・操・ケイオスにも分け隔てなく与えられている。


    操は「容子の子どもとして新たに島に産まれたい」とその身の再生を否定した。
    ケイオスは「人間のように生きる」ことを選んだ。
    なら、一騎と甲洋は……?

    島を出る際、一騎も甲洋もわざわざファフナーに乗って旅立っている。エレメントであれば瞬間移動ができるにも関わらず。
    これは同化現象=フェストゥム由来のエレメントの力が失われ、人という個として旅立ったからなのではないか。
    そして、前述したようにファフナーは「違う自分」になることで操ることのできる機体だ。
    一騎と甲洋はかつてそれぞれネガティブな理由で「ここではないどこかにいなくなりたい」「ここからいなくなるために島の外へ出たい」と考えていた。
    それがBEYONDの最後で「世界を見るために島の外へ出たい」「そして自分の居場所である島に帰ってきたい」という前向きな理由に変化している。
    居場所を求めるのは人として生きる者の本能だ。
    マークエルフではなくマークアレス、マークフィアーではなくマークアバドンという、島を出たがっていた頃の乗機と異なるファフナーに乗って旅立つのは、一騎と甲洋がかつていた自分とは違う、新しい自分になったという証である。

    エレメント……フェストゥムと人の中間の存在であったふたりは、アルタイルと美羽、そして島のミールの新たな祝福によって、人であることを選べるようなったのではないだろうか。

    かつて深海の底の底でいなくなりたいと絶望していたふたりにとって、そこにいて、高く飛び立てることがどれほどの喜びであるのか。
    人として生き、人として死んでいくこと。人を捨て、身を削り心を削り戦い続けてきたふたりがそうあれるなら、どれほど幸せか……
    一騎と甲洋の生きていく未来が、明るいものであって欲しい。
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