むだい屋敷にメイドがやってきた。
聞いた話によると、凄腕のメイドだそうだ。
銀色の短い髪。
インナーカラーはうすいピンク。
そして、端には三つ編み。
目は透き通るような、青。
僕は思った。
彼女なのかもしれない、と。
はじめて出会うのは、それから一日もたたない、午後の事だった。
「本日からこちらでお世話になるメイドです。」
上品に、スカートの裾を指先で優しく摘みながら、目を瞑り、お辞儀をする彼女は。
間違いなく
絶対に。
あの"彼女"だと確信した。
「まるで機械みたいだね…」
僕の横で、エレクラインはそう言う。
エレクラインの腕には、いつも通り蝶が止まっていた。
彼女の態度、口調、全てが淡々としていた。
本当に機械のようだった。
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