カミサマ ある日、漣が神になった。
神なんて、信じてこなかったもんだから、彼が何を言っているのかわからない。
手の中のスズメを生き返らせたからと言って、全知全能になったとは限らないのに。
「……神、って、何するんだ」
「……イノチに、さわれる」
スズメは軽やかに、彼の手の中から飛び立った。公園の隅で潰れていたそれをひょいと彼が拾い上げた時に、俺は咄嗟に「菌がたくさんいるかもしれないぞ」と言ってしまったのだが、そんなことはとても些末であるように感じた。
「リンネテンセーって信じるかよ、チビ」
アイツは黄金色の目をぎょろりとこちらに向け、俺はその視線から動けなくなった。輪廻転生についてなんて、今まで考えたこともない。
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