オズフィガ 夜のしじま。白いシーツのうなばらに二人の魔法使いが浮かんでいた。虫も寝静まる真夜中にオズとフィガロは向き合って、なにやら妖しげな秘め事でも行うかのようにフィガロはオズの膝元に乗って向き合っていた。いや、実際に行おうとする直前なのだけど。
「びっくりした?でもね、オズ。これがキスだよ」
ぺったりとしたうすい唇が乾燥したオズの唇に音もなく張りついた。まずは始めにとされた単純なキスにもオズは細い目を少し開いて驚いていた。キスをしたフィガロはそれを愉快げに眺めていた。
赤ん坊とはどうできるのか、とただ一言訊ねただけなのに。なぜフィガロが女のように腰をくねらせて自分にすり寄ってくるのか理解できないみたいだった。
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