無題「ようこそ、玟擽 丈」
「……少女? 君が依頼主?」
「ええ。貴方の得意な暗殺の依頼よ」
「得意になったつもりは無いけども……相応な報酬が貰えるなら何でもしますよ」
「ええ、ええ、勿論よ。この殺しが成功すれば一生……いえ、三生は遊んで暮らせる金額を支払うわ。ふふ、三生だなんて人間風情には不可能だけれどね」
「ほほう、それは喉から手が出る程魅力的な訳だ。それでターゲットは?」
「私よ」
「……はぁ?」
「だから、私よ」
「……お嬢さん、おふざけで殺しの依頼なんて出しちゃいけないよ。自分で自分を殺せなんて……」
「アル。『お客様』」
「はい。お嬢様」
「ぅどわっっ!?」
「ほう、避けますか」
「あっ……ぶねえな! なんだよ!」
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