かずみか「ただいま……ん? 返事が来ない」
この時間なら弥伽は家にいるはずだ。部屋で自主練習でもしているなら聞こえなくてもおかしくないだろう。
「あれ、弥伽ただいま……って、寝てたのか」
予想とは裏腹に弥伽はリビングのソファでぐっすりと眠っていた。
部屋のど真ん中で腹を出しながら、無防備にすぅすぅと立てる寝息と寝顔がなんとも可愛らしく、思わず顔が綻んでしまう。
頬を突っつくと薄いながらもハリのあるぷにぷにとした感触が返ってくる。触れられる違和感に顔をしかめながら、
「んゃ…」
なんて声を出す様子はまるで猫みたいだ。
……1人でも眠れるようになったんだな。
頭を撫でると安堵感に包まれた顔をしていた。
ひとしきり楽しんだので声を掛けよう。
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