新横浜から小一時間、一般道を走り続け、逗子半島へと辿り着く。
コンパクトカーとドラルクの相性は悪くなかったのか、座席の固さや振動に死ぬことはなかった。
塵が車体に入り込んでしまったら故障の原因になるかもしれないと、彼を入れる瓶を用意しようか真剣に考えたロナルドの懸念を吹き飛ばすかのような能天気さで後部座席に陣取り、チャイルドシーツに掛けたジョンと楽しげに会話をしている。
助手席には着替えなどが入った大きめのザックがひとつ。特に宿泊の予定はない。以前、マイクロビキニが海に出現した時に得た教訓だ。
また退治人の衣装を吹き飛ばされたとしても、素っ裸でどうすることも出来ないという状況を回避出来る。
使う機会に恵まれないことを祈るばかりだが、備えは怠らないに限る。
1909