■■くんは汚いサモナー 真人の直感が面白そうな散歩道を捉え、未知を求めて足が弾んだ。今日に知るモノは糧となるか芥となるか……人の群れを悠々と追い越し、辿り着いた曲がり角から半身を覗かせる。
「うげっ」
瞬間、真人の視界を支配したのは四体の式神であった。
気高さすら感じる大蠅、荘厳な佇まいの芋虫、黒白双頭の鴉、蛇とも竜ともつかない爬虫類。それぞれが放つ剥き出しの強さに、真人は本能的に来た道へと身を隠した。特級呪霊の己といえど、単体で相手をするには難しいと判断する。
しかし、危険な好奇心に抗えるほど真人は時を経ていない。
(式神使いのオフ会か?)
術式で手の甲に眼球を追加し、角の向こうに身を潜めたまま腕を伸ばし、式神達の観察を開始した。
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