一等星の貴方一等星の貴方
「今年は逢えたンかね」
星の見えない都会の夜空見上げる
ビルやマンション等を敷き詰められ、その上電灯で照らされていてはどんなに美しい星空であっても人工的な光に掻き消されここからではよく見えない
隣に居るニキは七夕だからと事務所の人達に貰った笹団子をこれでもかと言うくらい口いっぱいに詰め込んでこちらを見ていた
先程の独り言が気になったのだろうか、ニキはきょとんと目を瞬かせる
「んぇ?なんの話しっすか?」
「ニキきゅ~ん?お前は今日の日付すらも忘れちゃったんでちゅか〜?」
「え………?あ!七夕の事っすか?!燐音くんがそんなお話気にするなんて珍しっすね」
折角の七夕だと言うのに高いビルに囲まれた中では空だってろくに見えやしない
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