「ねぇ、いっそのことおれたちで付き合ってみる?」
それは確かに三度目のデートなんて、告白にはうってつけのタイミングだったような気がする。
まぁデートという名は付かない、ただ二人でうちで過ごすだけの会ではあったが。
春宮のことが好きな柊迫と、伊佐のことが好きな俺。うるさいのなんて嫌いなのに、喧しい男に構われて嬉しくなってしまった愚か者同士。
当然のように気が合うから、甘いものや茶をお供にぽつぽつとそういう話をすることもあった。
あんな真っ直ぐな目で「しゅーちゃん大好き!」なんて言う男に返せる「好き」は俺は持ち合わせていなかったし、柊迫に言わせれば「おれと臣さんが付き合うのなんて解釈違い」だそうだ。
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