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    夏naaa

    ここは墓場です。
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    夏naaa

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    高女体さこ小説

    やっと載せれる…涙
    高さこも大好きです…涙

    デートへ。『雑渡さん、明日後輩を家に呼んでもいいですか?
    いいですよね?13時頃にくるそうなので迎えに行きますのでよろしくです。』


    「拒否権ないじゃん。」

    携帯でいさ子からのメッセージに思わず突っ込んでしまった。








    「んで、なんで私の家なの?店じゃだめなの?」

    土曜日、いさ子が朝から雑渡の家にきて掃除やらおやつやら用意している。
    今はたまっている洗濯物を一気に片付けたりしながらいさ子は答えた。

    「…雑渡さんにも関係あることなんで家にしたんですよ。」
    「え?私に?」
    「私の後輩の左近が、どうも高坂さんが気になってるみたいで。」

    思わず寄っ掛かって話を聞いていた雑渡が、驚きずるっと滑った。
    目をぱちくりさせ、いさ子に「まじで?」と再度確認するとコクンと頷く。
    雑渡が驚くのは、自分の部下の中でもで一番従順で、よく「雑渡さん以外には興味ないんで」とか日頃から聞いているからだ。
    浮いた話を聞いたことは確かになかったが、
    高坂も普通にしていればイケメンの部類だったな。と思い出した。
    しかし、なぜ知ってるのかわからないので聞いてみる。

    「なんでその後輩ちゃんは陣左の事知ってるの??」
    「ほら、私のバイト先で、高坂さんが一人できた日があるじゃないですか。
    その時に左近が高坂さんのズボンに水をこぼしちゃったんです。
    その帰りに連絡先を聞かれたみたいですよ。」
    「あ~そんな事があったよね。」
    「高坂さんのことは私は詳しく知らないので、雑渡さんも話を聞いてあげて下さいね!」

    めんどうだなぁと思いながらも「はぁい」と体勢を立て直して気の抜けた返事をした。
    そして、思い出してまたイライラしてしまう。
    (確かあの時、陣左ずっとニヤニヤしてたんだよなぁ。)
    そっけなかったのも頷けた。



    「こ、こんにちわ…。」
    「こんにちわ、どうぞ入って。」

    左近がいさ子と共にやってきた。
    左近は一瞬雑渡の火傷に怯んだが、すぐに立て直して出されたスリッパを履いて部屋に入る。
    左近は入るなり「ここがいさ子先輩と婚約者さんのお住まいなんですね…。」
    と赤面しながら呟いた。

    「まぁ、私が雑渡さんの住んでる所にお邪魔してるだけなんだけどね。」
    「でもいいですよね…好きな人と一緒に居れるのって…。」

    左近が更に頬を赤くしてそう言うものだから、いさ子も頬を赤くした。
    雑渡はそんな二人見て(可愛いなぁ)とほっこりする。

    ソファーに左近を座らせて、用意したケーキと紅茶を出し、左近の隣にいさ子は座った。
    雑渡は床に座って話を聞くことにした。

    「高坂さんのことで悩んでるって聞いてたけど、なにかあったの?」
    「えっと…実は、高坂さんからデートに誘われまして…。」
    「え?!陣左から?!」
    「は、はい…。」

    いさ子よりも雑渡がびっくりしたようで、声を張り上げてしまい、左近もそれに驚いてしまった。
    いさ子が雑渡さん落ち着いて
    促し注意する。


    あんなに恋愛に興味がないようなこと言ってたのに。
    少し寂しいとさえ思ってしまう。

    「でも、相手は大人はですからかられていと思ってて・・・」
    「高坂さんはそんな人なんですか?」

    いさ子は雑渡に振り返り向いて聞いてみてるが、雑渡はすぐに答えられなかった。
    高坂という男をあまりよくは知らないが、自分を慕っているという事は確かだ。
    いさ子の友達なら変な事になられるとまずい。

    「私から陣左にそれとなく聞いてみようか?」
    「え…で、でも悪いですよ。」

    左近は弱々しく答えた。
    怖い、本人から聞いたらこの不安は当たってしまうのが怖い。
    だけど…
    左近はハの字の眉を解いて、何かを決心した表情になり雑渡に言った。

    「やっぱり、お願いしてもいいですか?!」





    と言うことで、陣左にそれとなく聞かなければならない。
    しかし、どう聞こうかね?

    「雑渡さん、これ書類確認お願いします。」
    「はーい。」

    「雑渡さん、この案件どう返答します?」
    「こうしといて~」

    「雑渡さん、その書類の資料です。」
    「わかった。」

    話しかけられるが、こう自然に聞くのは難しい。
    休憩時間になり、高坂がお昼に行こうと席を立ったのを見計らって話しかける。

    「陣左、良かったら一緒にご飯食べない?」
    「え?!食べます!」

    おやつをもらう犬の様に尻尾を振っているように見えた。
    (さて、どうするかな。)

    高坂に何を食べたいか聞くと、カツがいいとのこと。
    会社が立ち上が頃からお世話になっていた定食屋さんへ久しぶりに行くことにした。

    「久しぶりですね!ここ。」
    「そうだね。」

    (当時は、高坂がいないときにもお世話になってたなぁ。)

    昔ながらの定食で、ビル街には見慣れた光景かもしれない。
    しかし、最近では"お洒落"清潔感"を重視したお店が多くなった。
    こういう昔ながらの定食というのはなかなか見なくなったように思う。
    店内に入るとそれなりに満杯で、空いてたとしても一人分しか空いてない。
    迷っていると、丁度二人のサラリーマンが食べ終わり会計に向かって行く。

    「いらっしゃいませー!今片しますのでもう少々お待ちくださいね!」

    丁度良かった、とそこで片されるまで待ち、席へ案内される。



    「陣左もなかなかの大食いだよね。」
    「ここの定食は美味しいですからね。」

    値段の割に数品が多く、高坂のお盆の上は、味噌汁、ご飯中盛り、キャベツ中盛りにサクサクのカツ、オクラのお浸し、タクアン、きゅうりとトマトのサラダ。サイドメニューで+ミニお豆腐


    「よくまぁ、そんなに食べれるなぁ。」
    「雑渡さんはもう少し食べた方がいいですよ。」
    「これでも食べてるけどね?」

    少なめ目にしてもらってるカツ定食が一緒に並ぶと、確かに少ないと感じるかもしれない。
    会話もそこそこに「頂きます。」と高坂が箸をつけた。
    姿勢を正して、箸を立てずに横に倒し、綺麗な食べ方をしているので、少し雑渡も見つめてしまう。

    「陣左綺麗な食べ方してるね。」
    「母が食事に関して厳しい人だったんです。」

    料理を口に運ぶ姿も完璧に綺麗だった。
    何度か一緒に食べているが、考えてみれば一対一で食べた事がない。
    食事中は高坂は無言で食べてた事に今更ながら気がついた。

    「その食べ方をしたら、女性はほっとかないだろうね。」

    独り言のように呟いて、雑渡も箸をつけて食べ始めた。
    高坂は、口に入ってる食べ物をいったん全て飲みこんでから話かける。

    「女性とは何人かお付き合いした事はありますが、私より綺麗な食べ方をしてる人は見たことないです。
    まぁ、そこまで厳しい人もいないからでしょうが。」
    「へぇ?」
    「…実は、気になる方が出来まして。」

    箸を止めて雑渡が高坂を眺めた。
    (まさか自分から言うとは。)
    雑渡も口に入れた食べ物を飲み込んでから返事を返す。

    「そうなんだ。私の知ってる人?」
    「…いさ子ちゃんの後輩です。」
    「そうなんだ?」
    「16歳なんですよ。自分はロリコンじゃないと思ってたのですが。」
    「まて、私の前でよく言えたな?」
    「はい、同じ仲間だと思って言えました。」

    (このやろう)と思いつつもなにも言い返さなかった。
    そのまま高坂が話始める。

    「初めて自分から誘ってみたのですが、まだ返信がきてなくて。」
    「まぁ、向こうもからかわれてると思ってるんじゃないかな?」
    「どうしたら誘えますか?」
    「え?うーん。」

    雑渡はいさ子の事を思い出してみた。
    二回目のデート(雑渡はあまり認めてない)を誘う時は、
    ただ普通に「会いませんか?」と送っただけだ。
    しかも、送る際に二日間携帯に文字を打っては消してを繰り返し悩んでいた事を思い出してしまい、少し唇に力を入れて恥ずかしいのを我慢する。

    「私に聞かないでくれ。」
    「雑渡さん女性の扱い上手だったじゃないですか。」
    「あれは、何て言うか、そこまで本気じゃなかったと言うか。」

    気まづくて、止まっていた箸を動かして口に運ぶ。
    (本気じゃなかったと言うか、一応本気では付き合ってたんだよな。)
    と自分の心の中で訂正しながら食べ進める。
    高坂はまだ箸を動かさず、話しかけた。

    「私も今までなぁなぁで付き合ってたんですよね。
    でも、左近ちゃんは最初見てて面白い子だなと思ったら、気になってしまって…。」

    やっとそこまで言うと、背をまた伸ばして箸を動かした。
    前に「恋愛に興味がない」と言ってたが、多分それは「恋愛にまで発展しない」と言う方が正しいのではないか?
    そこの感覚は雑渡も覚えがあるので、気持ちはわかる。

    「まぁ、陣左が本気ならそれでいいよ。返信もうちょっと待ってみたら?
    あと、いさ子ちゃんの後輩だから変な事にならないように気をつけてね。私が怒られるから。」
    「それは大丈夫です。」
    「あと、私は"いさ子ちゃん"だから良かったの。ロリコンじゃない。訂正して。」
    「…わかりました。」

    少し納得がいかなかったようだが、とりあえずは了承したようだ。
    久しぶりに食べたカツが美味しくて、ペロリと食べてしまった。



    「ほ、ほんとですか??」
    「みたいだよ。左近どうする?」

    授業が始まる間の時間に、いさ子は嬉しくて直接左近に伝えにきていた。
    左近は信じられないみたいで、瞳はまだ揺れて動揺しているが、目を強くつぶり、再びいさ子の顔を眺めると眉を下げ、赤面しつつも決心したようだ。

    「と、とりあえず誘われたものを断るのは失礼かと思いますので、うけてみようとは思います。」
    「そうした方がいいよ。」

    (素直じゃないなぁ。)
    左近は素直に自分の気持ちを言わない事があり、嬉しい時と悲しい時、素直に言えない性格を知っている。

    「あ、あの、いさ子先輩。」
    「ん?なに?」
    「相談がありまして…。」






    「大丈夫、いさ子先輩から借りた漫画読んだし失敗はしないはず…!」

    左近は待ち合わせ場所の駅について独り言を呟いた。
    気になる映画があると言うことでお誘いがあり、やっと返信を返したのだった。
    左近は自分なりのお洒落をしてきたつもりだが、果たしてこれでいいのかずっと悩んでいる。
    時間は午前9時半。20分早くついてしまった。
    周りにはさまざまな店があり、待ってる間も暇は潰せそうだ。
    目の前の雑貨に少し興味があり、店に吸い込まれるように入っていく。

    女性が好きそうなアクセサリーが色んな所で光輝いていて、左近は胸が高まっている。
    今までそれほど興味がなかったのだが、デートと言うこともあってかじっくり見てしまう。
    ふと、ディスプレイの鏡に映った自分が目に入り髪が乱れてないか確認する。

    (枝毛意外にあるなぁ。)

    毛先を指で挟んで自分の目でも確認し、不安に感じてしまう。
    前髪も手で掻き分けて形を整える。


    「左近ちゃん。」
    「うわぁあ!!」

    上から待っていた人の声が聞こえてびっくりしてしまった。
    勢いよく声のする方を向くと微笑んでいる高坂が見下ろしている。

    (ひぇ)

    白シャツにジャケットパンツ、黒で統一されていて左近には刺激が強かった。
    なにせ、周りにはこういう服を着ている人は居ないし、元々イケメン具合が更に磨きがかかっている気がする。
    そして、ハッ!と気づいた左近。

    (しまった!少女漫画では、女の子が先に待ってて、「待った?」って後からきた男の人が罪悪感を感じて映画行った後にご飯とか行こうと言う流れるなるはずだったのに!!!!)

    心の中で後悔を感じていた。
    左近が唸っているので、高坂は心配になり声をかける。

    「あの、大丈夫?」
    「!!大丈夫です!!すいません!なんでもありません!!」
    「なんでもないならいいけど…。」

    高坂は携帯の時計を確認する。

    「時間より早く左近ちゃん着いてたんだね?待った?」
    「(は!ここで罪悪感を持たせば!)そう、ですね~!…でも、お店で時間潰してたので大丈夫です!」
    「そっか!」

    (あ"ーーーーーーーー!!)
    自分の性格を恨んだ。



    映画が始まるまで買うものがあると高坂が言ってたので早めに着いた。

    「あの、ちなみになにを見たいんですか??」
    「ん?あれ!」

    指を指したポスターを見る。

    「み、ミステリー…。」
    「面白そうでしょ?」

    顔面が期待で明るい笑顔でいっぱいなので、「そ、そうですね!」
    と言うしかなかった。
    左近は普段映画などは見ない。
    ヒューマンドラマ、医療ドラマを中心として見ている。

    「左近ちゃんもミステリー好きなの?」
    「えと…」

    (ここは、確か共通の話題で盛り上るとこだけど。)

    「そんなに、見ないけど気にはなってました…。」
    「そうなんだ?そしたら丁度良かったね!」

    つい小さい嘘をついてしまい、

    (いさ子先輩、きっと恋愛映画だよ~って言ってたのに外れてますよ…。)

    心の中でいさ子のせいにして、平常心を保った。
    高坂はそんな左近の心中はもちろん気づかない。

    「なんか食べながら見る?」
    「ポップコーン!!」
    「え?」
    「キャラメルポップコーンがいいです!」
    「好きなんだ?」

    高坂の反応を気にせず、嬉しそうに顔を赤らめて訴えた。

    「私キャラメルポップコーン大好きなんです!」
    「へぇ?したら多めに買っておこう。」
    「あ!私も払います!」
    「誘ったのは私だから気にしないで。」
    「あ、でも」
    「払いたいの。」

    キャラメルポップコーンを買ってきて左近に手渡し、ニコニコ嬉しいそうな高坂に首をかしげる。

    「甘いの好きなんだ?」
    「いえ、キャラメルポップコーンだけです。好きなの。」
    「え?珍しいね?」
    「よく言われます…。」

    一瞬、左近は何かを思いだしたのか目を伏せたが、
    またつり目を開かせて高坂を見る。

    「甘いのは好きではないのですが、これだけは、大好きなんです。」

    心底好きなのだろう、なんの混ざりっけのない笑顔を見せるものだから
    高坂は一瞬その表情にどきりとした。
    左近はすでに目線はポップコーンに移っていて、食べるのを楽しみにウキウキと目が輝いている。
    高坂はそんな左近を見て、胸の高まりを感じていた。



    映画を見てる間、左近は高坂を見て画面に集中するのを確認し
    横を向いて小さく「ふぁ」とアクビをする。

    内容はまぁ面白いとは思うが、
    やはり左近にはあまり肌にあっていないようだ。
    キャラメルポップコーンが食べられるので念入りに口を動かして寝ないようにするのが精一杯だ。
    口の中でキャラメルの味がしてその度に幸せな気持ちになる。
    もう一度映画を見るがすぐに半目になってしまう。

    (あまり好きじゃないなぁ。)

    高坂をまたチラっと見ると、上映している光が横顔に反射し、綺麗な顔立ちを引き立てている。
    真剣に見ている高坂の目に思わず顔を赤らめた。

    (映画館で良かった…。)

    またキャラメルポップコーンを手に取ろうと手をいれるとその上に高坂の手が重なる。
    小さい声で「ひゃっ」と驚くと高坂は左近の方を向いて「ごめんね」と小さい声で謝ってきた。
    左近は「だ、大丈夫です。」と答えて手をどけると、薄い光の中で高坂が触ったであろう箇所を眺める。
    重なった時の手の甲の血管と、長い指がまた魅力的に見える。
    下から横を向いて高坂を見ると、特に変わらない顔で映画を見ていて少し残念に思った。

    映画が終わり、エンドロールが流れ次々にお客が出ていく中で、高坂は動かなかった。
    左近の存在を思い出して、話しかけようと見ると少しうとうととしていた。

    「左近ちゃん終わったよ。」
    「ふぇ?あ。」
    「ごめんね、付き合わせちゃったね。」
    「へ?!」

    (しまった!バレた!)
    左近は慌てて背筋を伸ばして「ご、ごめんなさい!」と慌てて謝る。


    「つまんなかったかぁ。」

    高坂が寂しそうに笑うものだから、左近は心が痛くなってしまう。

    「ご、ごめんなさい!違うんです!!昨日寝たの遅くて!」
    「そうなの?」

    高坂のまっすぐな目を見ると、小さな嘘を重ねる自分が嫌になった。
    変に嘘をついて傷つかせるなら正直に言った方がいい。 

    「ごめんなさい。やっぱり、ちょっと、私にはつまらなかったです。」
    「…ふふ、そうか。悪かったね。」
    「ごめんなさい。」

    左近は顔が雲り(きっと高坂さんに嫌われた)
    そう思うと、悲しくて目を伏せて、どう言えばいいのかわからなくなってしまった。
    そんな左近の頭に手をポンポンと乗せ、「そんな顔しなくていいよ。」
    と言われ、驚いて高坂を見た。

    「最初にそうかな?って気づいてたよ。」
    「え?!」
    「あの反応と、言葉の濁し方はね。でも、気になってるって言ってたからいいかなって思ってさ。」
    「あ、気をつかわせてすいません…。」
    「使ってないよ。とりあえず出ようか。」

    まだエンドロールは終わってなかったが、残っているのは一人、二人程。
    大人しく高坂のあとに着いて行った。


    (あー、このまま帰るんだろうな。せっかく誘ってくれたのにな。)
    でも、待ち合わせ時間早かったんだから、お昼でもとか声かけてくれても…。

    「このあと、カフェとか行く?お腹空いたでしょ?」
    「へ?!」

    自分が思ってた言葉を言われ驚いてしまった。

    「まさか声にでて?」
    「え?なにが?」

    声には出てなかったみたいで安心した。
    高坂の言葉で一気に心が明るくなっていく。

    「良かったら、自分がよく行くカフェがあるんだけど行かない?」
    「ほんとですか!行きたいです!」





    「伊作先輩~恋愛映画じゃなかったですよ!!」
    「え?そうなの?てっきり恋愛映画だと思ってた。」

    左近は学校で伊作に報告をしていた。
    結局、カフェへ行って左近の行きたい場所へ高坂を連れていった形になってしまったが、終始高坂はずっと楽しそうに左近に話しかけ、買い物に付き合って家にまで送ってくれたみたいだ。

    「高坂さんとどうだったの?私の貸した漫画参考になった?」
    「それが、ほとんど実践できませんでした…」
    「そうなんだ。残念。映画館でもなんか起きなかったの?
    手を繋いだとか!」
    「え?」

    左近は映画館の高坂を思い出した。
    映画の光に反射している高坂と、少しだけ手が重なった時を思い出し身体が一気に熱くなる。

    「手が、少しだけ触れました…。」

    みるみる顔を真っ赤にさせて報告をする左近を見て、いさ子は「それ少女漫画の王道だよ。」と教えてあげた。




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