Happy☆School☆Life編(治日①) きりーつ、気をつけー、礼。
のんびりとした声でかけられた号令を聞くやいなや、私は机の脇にかけていたリュックサックからすかさずお弁当を取り出した。手のひらより大きい赤い二段のお弁当箱は、今日もずっしりと確かな重さを訴えている。
「あっ、まーたフライングでお弁当食べようとしとる!」
声をかけたのは、クラスで一番仲のいい友達だった。その一部始終を目ざとく見ていたのだろう、けたけたと笑ってからかわれる。余計なお世話だ。
スクールバッグを片手に寄ってきた彼女は、空いていた私の前の机を私の机にくっつけて、そのまま座る。私は箸を片手にしっかりと弁明した。
「やって、もうお腹ぺこぺこやし!」
「わかっとる、わかっとる。今日は早弁我慢したんやろ?」
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