緑と黒の縦縞のある何か大きなスイカを和さんが買ってきた
冷蔵庫でキンキンに冷やしておいたそれを食後に食べる
大きなスイカは、まな板の上に置いてもはみ出る位大きい
まずは半分包丁を入れてから、真っ直ぐになるように残り半分を切ってゆく
綺麗に半分に切れると、和さんが褒めてくれた
さく、と包丁が実を切ってゆく感覚が気持ちいい
大きく四つに切り終えると大きな皿によそって出来上がりだ
「やっと切れました、食べましょ和さん」
「俺には大きいかもしれんなぁ」
余ったら俺が食べますよ、そう言って美味そうな所を手に取るといただきますと言ってから大きな口で真ん中に齧り付いた
じゃく、しゃく、しゃくしゃくとみずみずしい音と共に果汁が口の中に溢れ出す
美味い、無我夢中になって食べ進めてゆく
種なんか気にしないで、そのまま齧る
口の端に溢れ出た果汁がつたう、手も果汁でざりざらりと汚れている
「太郎、種が」
ついてる、と和さんの柔らかな腕が伸びて頬にくっついていた種を取ってくれた
「和さんも、食べてください」
凄く甘くて美味いです
そう言って微笑むと、そうだなと和さんも大きなスイカを手に取って、俺とは違って上品に食べ始めた
あむ、と音がするように真ん中をふっくらとした唇が噛み締める
しゃくしゃく、と咀嚼してからティッシュの上に種を吐き出してゆく
なんだかひどく卑猥に見えてしまって、食べる手が止まってしまった
じっと眺めていると口の端から果汁が垂れた
白い肌に赤い汁が誘うように
持っていたスイカを皿に置くと、噛み付くように口付けをしてしまった
甘い、ざりざりする、柔らかい、あたたかな舌が絡み合う
スイカの味がしなくなるまで口付けをしていると、和さんの手からスイカが机の上に落ちた
勿体無いことをしてしまった、後で責任を持って俺が食べよう
その前に
「したいです」
「言われんでも」
好きなようにしろ、と耳まで赤くした和さんがそう言ってくれた