付き合ってない月鯉♀がラブホに行く話「どうしても行ってみたい場所があるんだ」
会社の上司である鯉登さんに真剣な顔で切り出される。
上司とは言え、この人とはプライベートでの付き合いの方が長い。彼女は高校時代の友人である平之氶の妹だった。初めて会ったのは鯉登さんが3歳の頃だったので最早親心に近いものを抱いており、仕事姿を見るだけで「あの小さかった音ちゃんが」と感慨を覚えるほどだ。
大人になった今も家族ぐるみでの付き合いは続いており、プライベートと仕事中と、彼女との接し方の切り替えに苦労している。
一方鯉登さんは俺への態度を変えようとしたことはなく、いつだって嬉しそうに駆け寄って声を掛けてくるのだった。初めは注意していたが、正直満更でもないので好きにさせている。
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