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    hiyoko_2piyo

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    hiyoko_2piyo

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    セイさんとクロエ、出かけてくれ…。
    昨日の話してたら出かける話が欲しくなったので書いた。いつの間にかお祭りになってた。
    一部シナリオ内の設定が描写されてる。注意。

    登場:クロエ、セイさん(お借りしました)、たくさんのモッブ達

    セイさんとクロエで出かける話「あ、あそこのお店飴も売っておりますの!?あ、でもあれ凄く可愛い…!」
    「あれ!あのまぁるい茶色の物なんですの!?おぉ…!これがジャパニーズたこ焼き…!」
    「これなんですの…あ、え、これ飲み物なんですの!?この電球飲んで大丈夫なんですの!?」

    数分前まで周りをキョロキョロと見渡しては子供のように隣にいるセイに聞き、目をキラキラとしていたクロエは、今、理性を取り戻して顔を手で覆っていた。

    「はい。イチゴで良かったかな」
    「ありがとうございますわ…うぅ、数分前の自分が恥ずかしい…」
    「好奇心を駆り立てられた子供の様に、あちこちへと興味を示していたからね。この人混みだと、疲れるのも無理もない。足の調子はどうだい?」
    「耳が痛いですわ…。足は少し痛むくらいですけれど、休んでいれば大丈夫ですわ」

    こうなった事の発端は、ソフィアから言われた「暮らしに慣れる」という所からだった。
    これでも一応お嬢様なクロエは、幼い頃からあまり遊ぶことがなく、友達は沢山居ても遊び相手となるとソフィアとバジルくらいなものだった。そんなクロエはもちろんお祭りなんてものにも行った事がない。
    それを聞いたセイが、丁度近くで夏祭りがやっているからと2人で遊びに来たのだ。
    しかしまぁ、人間誰しも初めてのものには心惹かれてしまうわけで。あちこちにある見たことないものやなんか聞いたことある感じのもの。とにかく色んなものが目新しすぎて、大興奮で歩き回った結果、靴擦れを起こした。そんな事ある?と思うかもしれないが、事実起こってしまったのだ。
    結局、今は祭りの列から少し離れた所で腰をかけ、セイから受け取った電球(イチゴ味)を飲んでいる。

    「しかしまぁ、こんなに人が集まるんですのね…日本人って、お淑やかなイメージが強かったから、ちょっと驚きましたわ」
    「こういったお祭りごとは、やっぱり楽しみたいんだろうね」
    「あ、それさっきのたこ焼き?ですわよね!」
    「食べたそうにしていたから買ってきたんだ。こっちは焼きそば。食べるかい?」
    「食べますわ!!!」

    そういって、セイはホカホカと湯気が出ているたこ焼きを箸でひとつ摘み、クロエの前へ差し出す。

    「熱いから、冷まして食べてご覧」
    「その前にこれはどういう状況ですの!?」

    思わず声を上げるが、周りから見ても明らかに「MA5(マジであーんする5秒前)」であることは明白だった。人通りが少ないと言っても、自分たち以外にも休んでる人がいるのだ。(そしてクロエが大声を上げた為、クロエたちを見ている人もいる)
    フルフルと顔を赤らめながら、クロエは言った。

    「こ、こんな人前であーんなんて…!こ、子供扱いしないでくださいまし…!!」
    「(いやそっち!?!?)」

    その場の全員がコケた、それはもうギャグのように。全員が「あ〜人前であーんとかするのが恥ずかしい子なのかな〜うぶ〜!」と思っていたら、当の本人はそれを子供扱いだと思ったらしい。自分でそれくらい食べられるからと。ズレた子だなぁ、なんて周りが思っていれば話は進む。

    「でも、君はまだ箸をきちんと持てないだろう。たこ焼きは潰れやすいし破けやすい。こぼれてしまうかもしれないからね」
    「そ、それもそうですわ…!で、では、失礼しますわね…!!」
    「いや食べるんかい」

    全員がツッコミを入れた。幸い、本人たちには聞かれていなかったらしいが、周りの気持ちは同じだった。お上品に食べてはいるが、やってることは「あーん」なのだ。家族で休憩していたらしい子供も「お母さん、あの人たちラブラブだよ」と指を指す始末。娘ちゃんお願いだから指で指さないの。せめてこそっとお母さんに言ってね。それを聞いていた周りもうんうん、と頷いていた。
    そんな周りを気にせず、クロエは自分の口の周りが汚れているのも気が付かず。よっぽどに気に入ったのか美味しそうに食べる。

    「日本のご飯は美味しいと聞いていましたけれど、本当に美味しいですわ〜♡さっきのフルーツの飴も美味しそうでしたし、焼きそばも味がきいてますわね!イチゴの氷も美味しそうでしたわ!」
    「けずりいちごだね。あとで買いに行こうか。ところでクロエ、口元にソースが付いているよ」
    「えっ!美味しすぎて気が付きませんでしたわ…!ど、どっちですの?」
    「クロエから見て右だね」
    「…取れました?」
    「もう少し下」

    絶妙にお手拭きが届かず手をさ迷わせるクロエに見兼ねたのか、セイがクロエからお手拭きを受け取り拭う。

    「うん、取れた」
    「ありがとうございますわ!」
    「お母さんあの人たち付き合ってるの?」

    人間、本当に驚くと声も出ないものである。子供が純粋な疑問を母親に問う中、その場全員が芝やら膝やらを叩いて震えながら耐えていた。付き合ってるのかどうかと聞かれたらそりゃわかるわけが無いがこれで付き合ってないと言われたら、背景が宇宙になってしまう。つまりはあれで付き合ってない、と考える方が無理な話なのだ。本人たちに「付き合ってるの?」と聞くことはないにしても、付き合ってないであの距離感は少女漫画しか見たことがない。というか実際にやってる人達現実にいるんだな、と思う程だった。
    (流石にキスしてとるとかそういうのではなかったから、微笑ましいカップルくらいなのだろう)

    「ふぅ…ご飯を食べたら元気になりましたわ!セイはどうですの?お腹いっぱいになりました?」
    「あぁ、どれも普段から食べるものじゃなかったから美味しく頂いたよ。足は大丈夫かい?」
    「ご飯食べたら大丈夫になりましたわ!」
    「なら、さっき気になってると言っていたベビーカステラを買いに行こうか」
    「行きますわ!!」

    ゴミ袋を持ってルンルン気分で向かう2人に、ホッと息をついた頃。くるりとセイと呼ばれていた男性が振り向き、ニコリと微笑んだ後に彼女の後ろを追いかけて行った。

    「お母さん、お兄ちゃんに聞かれてたね。お姉ちゃんとずっと英語でお話してたのに」

    いつから、とはもはや考えるまい。ただ、ニコリと微笑まれたその顔が、一周まわって怖い気がしてきた。今まで周りの反応をどういう気持ちで聞きながらあんなカップルみたいな事を?そこまで考えて深淵にたどり着きそうだったのでやめたが。
    野暮なことを言うまい。ただ、美味しそうに食べているのにはほっこりしたし、なんとなく元気を分けてもらった気がするし、人によっては甘酸っぱい思い出も蘇ったかもしれない。今日は帰ったらお父さんに色々思い出話でも咲かせようかな、とお母さんは思いながら娘と祭りを楽しんだ。

    そんな事を思われていたとは露知らず、クロエはお祭りをキョロキョロと見ていた。
    あちこちで楽しそうに遊ぶ子供の声や自分たちと同じように男女で楽しんでいたり。浴衣で回っている人も居て、綺麗ですわと心の中で思っていた。
    ちらりと隣を歩くセイを見る。あの空間で出会わなければ、再び家族に会うことも、ましてや今こうやって歩いていることもないのかと考えがよぎる。
    今こうして、誰かが隣にいて、お喋りをして、一緒にご飯を食べるというだけでも、クロエに取っては幸せなのだ。

    「(そういえばセイと出会った時、セイは私が死んでその後を…あんまり思いたくはないですけれど、つまりは1度…。その私とセイは、そうなってしまうくらいの関係だったのかしら)」

    きっと、それくらいそのクロエとセイはお互い大切に思っていたのだろう。そう思って、クロエは少し心苦しくなった。お別れは誰だって寂しいし、もう置いていくのは嫌だった。そのクロエも、つい前までのクロエも、どちらも大切な人を置いていっていたから。きっと、残されてしまったセイやソフィア達は、自分が想像もできないくらいの気持ちで日々を過ごしていたのかもしれない。そう思うと、少し、胸が苦しくなった。

    「クロエ?どうかしたのかい」

    急に静かになったクロエとセイの視線が合わさる。日本人特有の惹き込まれる様な、見通されている様な瞳に、思わず息をのむ。
    どこか神秘的で、でもなんとなく遠い気がして。そっとセイの頬を両手で覆い、ふにふにと手を動かす。
    クロエの予期せぬ行動には流石に驚いたのか、きょとんと目を丸めてされるがままに頬をいじられる。それを良しと思ったのか、クロエはくすりと微笑んだ。

    「(なんとなく遠い気がしても、そんな気がするだけ。手を伸ばせばセイに触れられるし、触れられるという事は私はここに居る。それに、私がそばに居てあげればそんな風に思うこともありませんし!)」

    依然としてクロエからの返答はないが、なんとなく嬉しそうにしているあたり、気が滅入ったわけでもなさそうだ、とセイは判断した。

    「さぁ!帰ったらまずどうしましょうかしら!私今凄く燃え上がってる気分ですわ!セイ!何かやれる事はありますか!?」
    「じゃあ、お風呂掃除をお願いしても?」
    「お任せあれですわ!」

    大きな胸にポンッ!と拳を叩き、意気揚々とセイの手を握り道を進むクロエ。
    そんな時。たまたま近くを偶然通りかかった旅行者らしい外国の子供が、クロエとセイに指を指しながら英語で言う。

    「ママ、パパ、あの人達道でラブラブしてたよ」
    「息子くん、人を指さしちゃいけないよ」

    はたっ、とクロエが止まる。しゃがみこみふるふると震える。

    「(ラ、ラブラブってなんですのーーーー!!!??)」

    いやでもと思い返せばそうだ。祭り気分でテンションが上がっていたからかもしれないが、慣れない土地で人がいっぱいということもあり、セイの腕に引っ付いていた自信はある。何せ興味が惹かれるものばかりで置いてかれるかもしれない事が目に見えてわかっていたセイからの提案だったから。手を繋いでいたが、次第に人が多くなりより密着していたかもしれない。というか密着していた。
    そして数分前の事を思い出す。いつぞやの時、セイは私と会ったことがあると記憶している。そして私の後を追いかけてきたとも。つまりは、普通の友達の関係ならそんな行動するとは考えにくくて。
    つまりは、そうしてまで一緒に居たいなどと思う様な思い出なり関係なりがあったわけで。
    そこまで考えてぶわっ!と顔が熱くなった。何かよっぽどな事に気が付いてしまったのではないかと思う反面、でもでもセイはいい人で物腰も柔らかくてとても紳士的で子供の面倒見も良くてセイと話していたりそばにいると自然と落ち着いて…でもそれはきっとセイが優しい人だからで…!!と自問自答にキャパオーバー。出来の悪い頭では煙まで上がっている気がする。
    一番の決め手は男の子に指摘されたことかもしれないが。
    再び動かなくったクロエの肩にセイが手を置く。ピクっと肩が揺れて、顔を赤らめながらセイを見上げるクロエは、もはや脳内がてんやわんやだった。ふむ、と考えたのち、セイが一言。

    「とりあえず、帰ったらシャワーを浴びようか」
    「ひゃい…」

    セイの裾をちんまりと掴み、2人の姿は小さくなった。


    クロエ
    恋自覚!て訳じゃないけど、こやつきっかけないの自覚しなさそ〜て前から思ってたので、きっかけみたいなものを。実際その時のクロエとはどういう関係かは分からないけど、でもあと思うほど強く思ってましたの!?が本人のアンサー。ただ、クロエは前のセイの話がきっかけでも、今のセイを見ているのでそこら辺は大丈夫そう。基本的に気を許した人とのパーソナルスペースが極端に狭い(なんなら気を許す条件が本人の中ではかなり緩い)ので、割とすぐひっつき虫になったり距離感がとにかく近い。多分よく胸は当たっている。本人は気付いてない。

    セイさん
    お借りしたよー!!現状クロエの保護者?兼クロエの中では日本での先生?みたいになってそう。日本語も英語も出来るので多分全て聞こえてると思う。羞恥心ってあるのかな?分からない。ただ言えることは、さりげなくやってきそうでおいちゃんは今から震えているという事だけ。俺が震源地だ。
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