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    soseki1_1

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    soseki1_1

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    リズ🤕先生の意思で動く触手(携帯品)が🔮をめちゃめちゃに犯す傭占

     思えば訪れからして不気味だった。
     カーニバルパーティーへの招待状。そう記された一式の封筒は、ある日の夜に探偵事務所のポストの中で佇んだ。昼でも朝でもなく夜に。たまたま玄関の掃除をしていたホワイトが、ポストの中でひとつぽつん置き去りにされている様を見つけたのだ。ポストは事務所にとって大切な箇所だ。依頼人からの手紙が訪れるかもしれない、貴重な場所。だから毎日二度、朝と昼ごとに必ず確認している。その日も同じように確認は終えていた。手をポストの中に入れ、壁に張り付くように立つ封筒がないかなど徹底的に探し終えたはずだ。だからその招待状は、夜に、誰かがわざわざ入れたことになる。
     不気味だが、招待状と記されたものを無下にするわけにもいかない。リーズニングはそう判断し、渋々その絢爛な招待状を見た。そしてなんてことはない、ただの悪戯だと判断した。なにせパーティー名だけが記され、それが何処で行われるのか、どう言ったモチーフなのか、何も記されていないのだ。ただリーズニングをその得体の知れないパーティーに呼んでいる。同伴者必須とまで書かれておきながら、向かう先が解らないならどうしようもない。封筒やそれに巻き付く金のリボンは見事なものだが、やけに手の凝った悪戯だったのだろう。そう判断し、ゴミ箱に放り投げた。
     それが一日目だ。
     翌日、つまりは二日目の朝、招待状はデスクの真ん中に乗っていた。金色のリボンがひらめきながら机上に流れている様を、リーズニングは眉を顰めて見ていた。朝訪れたトゥルースに聞けども首を横に振られ、同じく二階から降りてきたホワイトに聞いても知らないと首を振られる。まさか夜中に泥棒でも入ったのかと家財を確認したが、てんで変化はなかった。玄関や窓、あらゆるカギを確認したが、こじ開けられた形跡も、手が加わった痕跡も何もない。つまり招待状はひとりでに動き、リーズニングの机の上に舞い戻ったことになる。
     そんな馬鹿な。リーズニングは相手にしないまま、招待状をもう一度ゴミ箱に放った。昨日はたまたま軌道が外れ、ゴミ箱ではなく机に行ってしまったのかもしれない。それくらい適当に放り投げた自覚はある。奇妙な手紙の経緯が気にならないことはなかったが、探偵にはそれ以上にやるべきことがあった。だから日常に入り込んだその些細な異変を、リーズニングはひとまず見なかったことにした。
     招待状が本の間に挟まっていたのを見つけたのは、それから何日も後のことだった。
     それは偶然の産物だった。依頼に必要な資料を読むため本棚に触れたときのことだ。資料は右奥の隅にあり、丁度本棚の際となるその隣に招待状は挟まっていた。ナワーブはもう一度、玄関と窓など事務所中全ての鍵を確認した。何もなかった。驚くほどに日常が続いていて、その中で招待状だけが不可解な代物として存在した。この日、リーズニングは招待状を燃やした。使い慣れたライターで直々に燃やし、灰にした。燃え尽きた灰を見ながら、これで不可解な招待状が終えるという安心は沸いて来なかった。もしかしたら。そんな嫌な予感が背筋を伝った。
     予感は最悪の形で姿を露わにした。
    「せん、せ……♡」
     真夜中だった。三階にある寝室のうち、ひとつの部屋……ホワイトに宛がわれた部屋から声が聞こえたのだ。それが他愛ない独り言なら、リーズニングもわざわざ訪ねようとはしなかったろう。しかし声は、泣いているように聞こえた。くぐもった、時々鼻水ごと声を啜るような音。リーズニングは数秒悩んで、戸を開けることにした。この真夜中まで起きていたのは単なる偶然だ。ヤードとの打ち合わせからなかなか戻ってこれず、三階に上がるのが真夜中になってしまっただけ。この日以前には、そんな日は少なかった。ほぼ毎日事務所のメンバーであり、恋人であるホワイトと就寝の挨拶をして眠っていた。挨拶の時、彼が不可思議に目を伏せることがあることには気づいていた。どうしてそれを、ただ眠いだけだろう、だなんて思ったのだろう? 彼が今の今まで鳴いていたかもしれないことを思うと、リーズニングは自分のことを許せない決心でいっぱいになった。
     決心はすぐに、より深いものへと変わった。
     扉を開いた途端。その光景は目に飛び込んできた。窓辺から注がれる月明りに照らされた、黒い触手。床にぽっとりと落ちた招待状から湧き出ているらしいそれは、殆どすべてがベッドに向かい、蠢いている。幾本もあるそれらが全て自由意志を持ち、ベッドの上の白い人の上を、ナカを、蹂躙している。白い肌は赤く染まっている。普段目隠しで覆われる聡明で不可思議な眼は、今はただただ快楽に蕩けるばかりとなっていた。こうなるまで……聡明な彼がこうなるまで、いったいどれほどの時間を掛けたのか。考えずにはいられない。しかし全ての試行は、その唇から零れる声で吹き飛ばされる。黒い触手に覆われた向こう側。もはや淫猥と悪逆の只中となっているベッドの中心で、愛しい人が声を上げている。
    「たす、っ♡…けて……♡」
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