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    soseki1_1

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    soseki1_1

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    パーティー会場から少し離れたところでセックスしている正装傭占を見つけてしまう給仕係のモブ
    (傭占🤕🔮/まだ全年齢/♡喘ぎ)

     荘園の内部を運営するには存外な程人手がいる。よく目にするのは待機室に腰掛ける生存者の後ろに佇む使用人だろうが、ああいった者は花形と言っていいもので、大抵執事長やメイド長などが担当する。長がいるということは下々の使いもいるというのが組織の仕組みだ。なにせ大人数の人間だの奇怪だのを集めては、長期の宿泊をさせつつ、定期的に試合へと参加させるのがこの荘園である。試合の時間計測やフィールドの調整、食事や掃除など、考えてみれば様々な雑務が存在しているものだ。参加者の心理的状況を鑑みた上で、どの程度を不可思議な力に任せ、人の手に任せるかは配分されているものの、労働力が必須となるのは確かである。
     そしてパーティーが開かれるともなれば、必要性は飛躍的に上昇する。
    「やってらんねえ」
     重苦しい溜息を吐き出し、ぶらりと足を歩かせる。歩行するふたつの脚は引きずるような様で、革靴の踵が足の長い絨毯を蹴っていた。
     演繹の星。それにちなんだ祝いの席。そんな会場の給仕に宛がわれたひとりが、この男である。
     会場の設置や食膳の整理、参加者の案内や、救護が必要になった際の医療設備。小規模のパーティーとはいえやるべきことは山ほどある。少人数の参加者とはいえ、中には生前王妃であった者や貴族の当主まで存在するのだ。その者らにドレスコードを課したとなれば、生半可なバンケットでは許されるはずもない。陰ながら、荘園中の雑務係がこの日の準備に追われていた。その中でも日々の仕事は変わらずあるのだから忙しないことこの上ない。とはいえ、普段の食事は奇怪な能力で整えられてはいるし、全てを人力で賄っているわけではないため、常人の考える労力とはまた違った規模になるのだが。疲弊が蓄積していることに変わりはない。
     ぴくりとも動かぬ表情筋を重たそうにこさえながら、男は重い足取りを続けていく。パーティー会場では決して眼にもできない姿だが、今は休憩中で、ここは会場から少し離れた廊下である。パーティー中はいつどんなところであろうとおもてなしの心を忘れずにと、グリーンドレスのメイド長から言い聞かせられているものの、こうも疲弊がたまっていては心もへったくれもあったものではない。心はみな同じなのか、厨房から表情をなくしたまま休憩へと出て行く男を窘める者は誰もいなかった。単に、男がそのような不備を起こす者ではないと存じられていたためやもしれないが。
    「ハァ~…………」
     もはやぴくりとも動かないのではないかと危惧すべき口から、足取りと同じく重苦しい息が溢れ出る。もはや声と言って差し支えない嘆息は無音の廊下へ溶け消えていく。ここから廊下を三度曲がり、真っすぐ歩いた末に辿り着く大広間では未だ絢爛たるパーティーが続いているのだろうが、こうも離れてしまえばその喧噪も届かないものだ。
    安堵する心地と、休憩が明けるころには再び戻らねばならぬ憂鬱と、どちらも抱え持ったまま男は歩く。ポケットには煙草とライターがあり、それをゆっくりと吹かす予定だ。出来れば人気のないところがいい。テラスに続く窓辺はなかったろうか。疲弊のためぼんやりとする頭で考えながら、男は歩く。
    彼の耳が音を拾ったのは、そこがあまりにも静かだったためだろうか。それとも思考に割かれなかった意識が聴覚へと注がれていたのだろうか。
    「……っ、ぅ…、…、……ぁ…」
    定かでないが、音を拾った。人の声だ。息をつめたような声音で、何かを堪えている。そんな声である。
    「……………」
    男は最初、聞こえなかったふりをしようと考えた。このまま通り過ぎて、何もなかったことにしようと。なにせやっとの休憩なのだ。会場の設置から案内、配膳から好みの激しい上流階級相手の謝罪と食事の交換まで、ありとあらゆる気苦労と労働を微笑みを張り付けて行い続けた。そんな最中で与えられた数十分である。大切に大切に過ごしたくてわざわざ足を延ばしたのだ。そんな中でも仕事をするなど考えたくもない。
    しかし、男は疲れていたのだろう。意志に反し、彼の足はぴたりと歩くことを止めていた。仕事人間の精神というよりかは、異変に察知した感覚が起こした無意識化の行動だったに違いない。そのために、男はその声を再び耳にすることとなった。
    「……っ…ぁ、…ぅ、ぐ…、…っ!」
    喉につっかえるような苦し気な声には、荒々しい息も混じっている。聞こえる声はいよいよ無視することができないまでとなった。
    否、誰が吐こうと倒れようと業務時間外だからと無視をしてしまえばいいのだが、男はそうまで不真面目ではなかったのだ。
    なにせここでパーティーの参加者のひとりが倒れたとなれば、普段の試合にも影響が出る。このパーティーはただのバンケットではない。この荘園で行われることなのだ。明日からも同じように試合は続くし、日々は紡がれていく。試合の進行に際し弊害は少ないことに越したことはない。
    なにより仮に倒れた参加者を放置したことが露見すれば、男は大目玉どころでは済まないだろう。邪神も女神も殺人鬼すら呼び寄せる荘園からの罰則など…それもゲームへの非参加者への叱咤など、考えるだけでもおぞましい。
    男は己の保身を考えられないほど思考をすり減らしてはいなかったし、愚かでもなかった。それだから、心底億劫に思いながら声の出どころを探し始めた。
    「……ッ、ぁ……、ひ、…っ…ぁ……」
    窓辺を探していた目線を屋内へ、意識を廊下の方面へと傾ける。耳を傍立てながら声のよく聞こえる方へと足を向ける。苦しげな声は、どうやら随分奥まった箇所から聞こえるらしい。扉の向こうではなく、もう少し先に進んで脇道をそれた箇所だ。行き止まりになっており、とりいって主要な部屋もない場所である。誰かに気遣って隠れたのだろうか。だとしたらいい迷惑だ。早々に係員に申しつけさえしてくれれば、なんとでも対応するというのに。
    (めんどくせえ)
    行き止まりの廊下に差し当る一歩手前まで来たとき。男は重い溜息を今一度つきながら、まず肩をぐるりと回した。体調不調者であるなら早々に駆け寄るべきなのだが、今はそんな焦燥感が持てなかった。休憩中に業務対応をするのだ。これくらいの嘆きは許して欲しい。そう思いながら、腹を決めて曲がり角を覗き込んだ。
    そして、男の目が丸みを帯びる。
    「ン、♡…っ♡ぁ、ぁ…♡……~~っ♡♡ふ…っ、ぅ…ぐ…♡…♡♡」
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    soseki1_1

    PROGRESS大佐🤕と喧嘩して家出した🔮を匿う副官🧲2
    /現パロ大占傭占
    「ああ、いるよ」
     携帯電話から届く声が誰なのかは判別がつかない。ただキャンベルさんの口ぶりと目線で彼だと解った。彼は眇めたような流し目で僕を見た。
    「僕の家に居る」
     裏切られたと思った。立ち尽くした足が後ろにたたらを踏んで、この家から逃げようとする。だけど裏切られたという衝撃が体の動きを固くしていた。そのうちに、彼は言った。
    「なんで? あげないよ。送り届けてなんてやらない」
     踵を返して走り出そうとした足が止まる。息を止めたままキャンベルさんを見ると、彼はもう僕の方を見てはいなかった。ただ、唇を歪めて厭に微笑んでいた。
    「飽きたんだろ?貰ってあげるよ。常々美味しいんだって聞いてたし」
     怒鳴られてる。とは、漏れ出る音で解った。そういう空気の振動があった。それに構うことなく、キャンベルさんは鬱陶しそうに電話を耳から離すと、液晶に指を滑らせて電話を切った。四方形のそれをソファに投げて息を吐く。僕の、何とも言い難い視線に気付いたのだろう。彼はもう一度目線だけで僕を見た。それが問い掛けの代わりの視線だと解ったから、逃げ出すより前に口を開いた。
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    soseki1_1

    PROGRESS求愛してる白鷹とそれに気づかない夜行梟/鷹梟/傭占
     そもそもの始まりは食事からだった。と、夜行梟は呟き始める。狩りのやり方を教えた頃から、やたらと獲物を取ってきたがると思っていたのだ。覚えたての狩りが楽しいのだろうと微笑ましく思えていたのは一、二年ほどで、そのうちどこからか料理を覚えて振舞うようになった。あれはそういうことだったのだ。給餌だ。求愛行動のひとつだったという訳だ。夜行梟はその真意に全く気付かず、私の料理美味しくなかったかな、悪いことしたな、なんてひとり反省していた。
     夜行梟の誕生日に三段の素晴らしいケーキが出された辺りから、つまりは今年のハロウィーンを終えた辺りから、いとし子は本領を発揮し始めた。まず、夜行梟の寝台に潜り込んだ。今思えばこのときに気付いてもよかった。よかったのに、夜行梟は布団の隙間を縫うように身を潜らせたいとし子に「怖い夢をみたのかい?」なんて昔と同じように声を掛けた。もうとっくに子供じゃなくなっていた白鷹は、このときは未だ我慢していた。「そんなものだ」とだけ言って隣に潜り込み、足を絡ませて寝た。今思い返すと完全に求愛だった。鷹族の習性だ。鳥型の鷹は空中で足を絡め合い、互いの愛情を深めるのだ。鷹族の遠い親戚からきちんと聞き及んだ話だった。のに、思い当たらなかった。まだ甘えん坊さんだな、なんて嬉しく思っていた。
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