未来に触れる。「不服ってツラしてる。美人がもったいない」
「……口説いても何も出ないぞ、シャルル殿」
軽いコミュニケーションもあっさり突っぱねられたシャルルは、まだまだお堅いねぇと肩をすくめては苦笑いしつつ手ごろな薪を拾い上げた。
──”密談”とその陰謀の阻止のため一時的に手を組むことになった一行は、サンランドの砂漠を目前に控えたところで一度足を止めることになった。それぞれ旅慣れはしているものの相手が砂漠となっては話は別、急ぎ足でリバーランドを抜けた分ここで一度休息を入れることになる。
そして旅団たちが野営の準備を進めてくれている中、シャルルとエルが任されたのは薪集めだった。休息のタイミングもこの役割配分も、真っ当な判断だとシャルルも思う。
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