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    加々知の煮凝り

    @brst666
    こちらは支部に載せた物を再掲する所でございます。9割R18です。パスワードは腐界隈で有名な数字3文字です。

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    加々知の煮凝り

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    😈と鬼👦のパロディです。フォロワーさんの素敵なネタに感化されました。

    悪魔×鬼パロ「お前なんか!」※アカさとちょっとだけあり
    ※ブラックが少し鬼畜

    さとしside

    俺はさとし!きさらぎ駅に住んでいる鬼だ!きさらぎ駅は都市伝説の中の一つで、とある女性が電車で乗り過ごしてついた所がきさらぎ駅なんだ。そこで俺たち鬼は『この世界』に迷い込んできた人間を食べているんだ。
    でも俺には悩みがある。鬼ではあるが力も弱く、人間を見つけても足が追いつかない為他の鬼に雑魚扱いされている。大将であるアカネちゃんとその右腕の青オニさんはそんな俺を励ましてくれている。この二人は俺にとっては恩人だ。独りぼっちだった俺を仲間にしてくれた、大切な存在だ。

    『大丈夫だよさとし。アタシ達はあんたの味方だから』

    アカネちゃんは俺にいつもそう言ってくれた。俺は嬉しかった、でもその反面他の鬼からの批判が強かった。何故大将から可愛がられているのか、お前なんか足手纏いの癖に。どれだけ言われたのか、どれだけ辛かったか。そんな悩みを言える友人などいやしない。だから俺は陰で努力するしかないんだ。例え馬鹿にされようとも俺だって鬼なんだ。
    そんなある日のこと。俺は人間が来ていないかどうかの巡回をしていた。これは鬼にとっては仕事だ、もし人間がいたらアカネちゃんに報告するのが義務になる。とはいえ中々人間なんて見かけないのは確か。そう簡単に見つかるわけが。

    「こんばんは」
    「うわ!」
    「そんなに驚かなくてもw」

    考え事をしてボーッとしていたのか、人がいるのに気づかなかった。その人は全身黒尽くめだけど鬼の角が生えていなかった。間違いない、この人は人間だ!早くアカネちゃんの所に連れていかないと!俺は人間を捕まえる為に腕を掴もうとした、が。

    「カカカ、遅すぎて欠伸が出そうです」
    「!」
    「まあ『遊んで』やりましょうか。ほら、かかってきなさい」
    「この!」

    何度も何度も腕を掴もうとするけど、この人間素早すぎる!もう人間のスピードじゃない!その前に俺のスタミナが減る…おかしい…こんなのって…!なんて考えていると彼から足払いをくらい俺は地面に向かって転んでしまう。

    「いって…!」
    「カーカッカ!オレちゃんに立ち向かうその勇気!褒めてあげましょう!しかし相手が悪かったようですねえ」

    男はそう言って背中から『何か』を出す。
    それは蝙蝠のような形をした巨大な翼だった。
    まさか…こいつ…!
    しかし、時既に遅く俺の体は宙を浮いていた。あの男に俵持ちされたみたいだ。そしてそのまま羽ばたいていく。こんなのアカネちゃんに見られたら…!と思った瞬間、アカネちゃんがこちらに向かってダッシュしてきた。

    「さとし!!」
    「ア、アカネちゃん!」
    「ここの鬼さんみたいですね。残念ですがこの子はオレちゃんが貰います、その対価は…まあ伊佐貫トンネルに行けばわかります」
    「はあ!?」

    ではこれで。男はそう言った後、俺を連れて何処かへと連れていった。悔しい表情を見せてしまっているアカネちゃんを置いて。
    それからどのくらいの時間がかかったのだろうか。風景が一気にガラリと変わってしまった。きさらぎ駅は暗かったけどここはそれ以上に暗い。でもおかしい、鬼である俺はきさらぎ駅から出られないはず…それがどうして?

    「着きました」

    男が着いたのは家、家と言うより豪邸に近いと言った方が正しいのかもしれない。俺は入口では下ろしてもらえず、かといって家の中で下ろしてもらえず、ようやく下ろしたと思ったらベッドの上だった。そしてそのまま男に組み敷かれる。え、俺ナニされるの??

    「きさらぎ駅の鬼はそう簡単に出られないと聞きましたが、どうやら君はきさらぎ駅の加護の力が弱かったようですね」
    「!?」
    「そうだ、自己紹介がまだでしたね。オレちゃんはブラック、悪魔系ヨーチューバーです。まあ本物の悪魔ですけど♪」
    「あ、あく、ま…?」

    悪魔。アカネちゃんから聞いたことがある。史上最悪の人外だと。人間の願いを叶え、その魂を貪り喰らう存在。俺たちの方がまだマシかもしれないけど悪魔はそんな人外だって聞いた。まさか目の前の男が悪魔だったなんて…。

    「お願い…帰して…」
    「お断りします。君はオレちゃんのモノです。一度調べたかったんですよ、鬼の生態。悪魔より体も強いのか、どのタイミングで息の根が止まるのか、どのくらい傷をつけたら回復するのか…そう、君はオレちゃんのモルモットになるんですよ。感謝してくださいね」

    俺が腕に力を入れても向こうはそれ以上の力で俺を押さえつける。押さえられた腕から悲鳴が聞こえてくる。痛い…!俺はこの悪魔に好き勝手されるのだろうか…。

    助けて…アカネちゃん…!

    ×××

    アカネside

    青オニからさとしが黒尽くめの男と交戦中と報告を受けたあたしはその現場までダッシュした。着いた時にはさとしは男に連れ攫われる所だった、間に合わなかった…!しかし男は「伊佐貫トンネルに行けばわかる」と言葉を残した、嫌な予感がしたあたしはそこへ向かっていった。

    「…!?」

    そこにあったのはあたしも知ってる仲間『だった』ものだ。赤く染まる大地、鉄の香りがする肉体。鬼のあたしでもこれは見るに耐えなかった。ふらつくあたしを支えてくれたのは青オニだった。

    「お嬢!」
    「青…オニ…」
    「まさかこんな事になってるなんて…思いもしやせんでした…」
    「どうしよう…さとしが…」
    「…助けにいきやしょう、お嬢が救わないなら誰が救うってんですか!」
    「…」

    青オニの言う通りだ。さとしはあたしにとっては弟のようなものだ。でもきさらぎ駅から出るにはある『掟』を破らなくてはならない。

    「『人食』の掟…これを破ればさとしを助けにいける…!」

    待ってろよさとし!あたしと青オニが必ず救ってみせる!
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