ツイステ監督生パロ「転移ダブル!」※ツイステとのクロスオーバーです。
※CP要素少なめです。
さとしside
あれ…?ここは…?確か俺、ブラックとカメラちゃんと学校から帰ってた、はず…。なんで俺…棺の中に入ってるの??開けようとしても棺が重くて開かない…!と、その時。
「ふな〜〜!それっ!!」
「あっちい!!!」
「さてさて、お目当ての物は…ってぎゃー!!お前らなんでもう起きてるんだ!?」
お前『ら』?横を見ると見たことのない服を着たブラックがうーん、と唸りながら起きてきた。ん?ブラックはって事は…俺も同じ服着てる!?しかし、目の前の生き物を見たブラックは一言。
「おや、喋るタヌキがいるなんて鬼ヤバです!」
「誰がタヌキじゃー!!俺様はグリム様なんだゾ!」
「聞いてませんがw」
「まあいい、そこの人間共!俺様にその服を寄越すんだゾ!」
さもなくば丸焼きだ!とグリムと呼ばれる生き物は青い炎を出す。やべえよ!タヌキに丸焼きにされるなんて絶対やだ!何かを感じたかブラックが俺を抱えてダッシュで逃げる。
着いた所はどうやら図書室だ。おかしい…いつものブラックなら飛んで逃げてるのにどうして?
「ねえブラック…」
「単刀直入に言いますさとくん。今のオレちゃんは魔力が空っぽです」
「なるほど…魔力が空…え!?」
「悪魔としての体力や持久力はそのままなんです。ほら、その証拠に」
ブラックが懐からすっと出してきたのはカメラちゃんだ。しかし様子がおかしい、ピクリとも動かないのだ。
「カメラちゃんとオレちゃんの魔力はリンクしてますからね。ああ、死んではいませんよ。眠ってるだけです」
「よ、よかった…いやよくない!ここ魔界じゃないの!?」
「それはオレちゃんにもわかりません。まあPCとブラックスマホは無事ですが」
ブラックは懐から更にパソコンとスマホを出す。四次元ポケットかよ。パソコンもスマホも電源がつくしデータも消えてはいなかった。それだけでも奇跡だと思う。俺も確かビデオカメラとスマホがあったはず…と思ったがカメラはなく、スマホも電源が入らなかった。え、そんなのあり!?
「ねえ、魔力が空っぽって事は…」
「ええ、ブラックホールどころか契約書を取り出すのも難しいですね」
「そんな…」
「俺様の鼻から逃げられると思ったか人間共!」
「「!?」」
後ろを振り向くと先程のタヌ…いやグリムがいた。何故こいつはこんなにも俺たちに執着しているんだろう…。グリムがジリジリと近づいてきた、とその時。グリムを何かが縛ってきた。これは…紐?
それと同時に派手な衣装の男の人が現れた。さっきまでそこにいなかったのに?
「ああ、やっと見つけました。君達、今年の新入生ですね?ダメじゃないですか、勝手にゲートから出るなんて!」
「「はい?」」
「それにまだ手懐けられていない使い魔の同伴は校則違反ですよ」
グリムが謎の男によって拘束された状態で暴れている。使い魔じゃないと言っているが確かにその通りだ、こっちは追い剥ぎ未遂されたのだから。謎の男はグリムの口を塞ぐ。まあ確かにうるさいけど…。
「まったく…勝手に扉を開けて出てきてしまった新入生など前代未聞です!どれだけせっかちさんなんですか…」
「開けたのではなく開けられたの間違いですよ」
「はいはい、とっくに入学式は始まってますよ。鏡の間へ行きましょう」
「オレちゃんの話ガン無視する人初めて見ました」
「俺も…ってあの、扉ってなんですか?」
謎の男は説明する。どうやら俺たちが目覚めたたくさんの扉が並んだ部屋の事らしい(あれ扉だったんだ…)。この学校に入学してくる生徒は全員あの扉をくぐって学校に来るらしい。本来なら特殊な鍵で開けなければ目覚めないはずとのこと。それまでの世界に別れを告げ新しく生まれ変わる、あの扉にはその意匠?が込められているそうだ。
「おっと、長話をしている場合ではありませんでした。早くしないと入学式が終わってしまう。さあさあ、早く行きましょう」
「あの…貴方は誰ですか?後この世界についてもオレちゃんとこの子は疑問なんですが」
謎の男は空間魔法がどうとか意識がはっきりしていないとか言ってきた。まあ歩きながら説明してくれるっていうからまあいいか。能天気に考えてしまうが正直不安しかない、ブラックがいるだけまだマシかもしれないけど。
男の人は説明する、ここは『ナイトレイヴンカレッジ』という学校もとい学園でこの世界から選ばれた類稀なる才能を持つ魔法士の卵が集まる所らしい。ところで俺たちの今いる世界は『ツイステッドワンダーランド』と呼ばれる世界だ。この学校はその世界の中でもきっての名門の魔法士養成学校とのこと。聞いた事のない世界だ、俺は人間の世界とブラックが住んでいる魔界くらいしか知らないんだもの。ちなみに学園に入学できるのは『闇の鏡』と呼ばれる鏡に魔法士の資質を認められた人だけみたい。選ばれた人は扉を使ってこの学園に来るそうだ。
「そして私は理事長よりこの学園を預かる校長、ディア・クロウリーと申します」
「あの…魔法士って?」
「簡単に言えば魔法使いですよ、さとくん」
「貴方方の所にも『扉』を載せた黒い馬車が迎えにきたはずです」
「え…?」
そうだ、思い出した。ブラックと歩いてたら黒い馬車が通りかかって…でもそこから記憶がない…。あの黒い馬車は『闇の鏡』が選んだ新入生を迎える為の乗り物で学園に通じる扉を繋ぐ特別な馬車らしい。
「古来より特別な日のお出迎えは馬車と相場が決まってるでしょう?」
「そう、なの?」
「さあ?」
「さっ、入学式に行きますよ」
後ろで暴れるグリムと一緒に俺とブラックと学園長(校長よりこっちの方がしっくりくる)と鏡の間に行く事になった。
これから何が起こるかもわからず。