邂逅「今日も見てる…」
マキナは今日も一人、教会の公園にいた。誰もいない茜色に染まった場所に、ぽつりと。
その人は窓からいつも覗いている。私と目が合うとその人は目をそらすし、私が目を逸らすとその人はまた見つめてくる。いつも、その繰り返し。
その人は背が高くて、淡い青紫みたいな色の髪を結んであって、窓から見ても分かるぐらいにいつも私のことを見てくる。でも、私は、あの人のことを知らない。
「あの人のおうち、行ってみよう」
表せないくらいの恐怖心があった。でも、見てるとなぜか落ち着く。だったらもう、会いに行くしかないなって、そう私は感じた。
「好奇心は猫を殺す」って言葉があった。だがそれでもいい。だって、私はひとりぼっちでも大丈夫だから、ね!
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