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    ts88741750

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    #ぎゆさね版深夜の真剣60分一本勝負
    よりお題「犬/しつけ」をお借りいたしました。
    初ポイです。不手際などあればすみません。

    #ぎゆさね
    teethingRing

    犬/しつけ 腕を掴まれたやって来たのは実弥のアパートだった。
    義勇はジャージのポケットから合鍵を出すとガチャガチャとドアを開け、無言で中に入る。
    「…え?なんでェ?」
    ぽめらにあんは留守番できるのか、と聞いたのはー
    「ぽめらにあんはどこにいる」
    実弥の顔を見ずに義勇は言う。
    「…寝室ゥ」
    寝室にケージを置いて不在時はそこに入れている。
    「わかった」
    勝手知ったる部屋の中をその家主の腕を持ったまま入り、寝室のドアを開ける。
    突然の帰宅に寝ていた犬はぴくんと起き、実弥の顔を見ると嬉しそうに黒飴のような目を輝かせる。
    「悪いが出せない。…いや、お前も見ているといい。今からお前も実弥もしつけてやる」
    ケージ越しに義勇はぽめらにあんに言う。
    「な…おま、何し」
    腕を掴まれたままの実弥が最後まで言うのを待たずに義勇は強引に唇を唇で塞ぐ。
    「…ん…んん…」
    唇を割られ義勇の舌が実弥の口内に捻じ込まれる。
    いつもなら口内を柔らかく這い回る舌が今日は荒々しく硬い。
    実弥の粘膜の隅々に、歯の裏にも表にも、貪るように義勇は無遠慮に舌を動かす。
    「ん…ふ…」
    息が苦しい。
    上手く口が動かせず、実弥の口の端から唾液が滴る。
    つつ、と糸を引きながら義勇は口を離す。
    「おま…な」
    今度も言い終わらないうちに義勇は、ドン、と実弥をベッドに押すと、その上に跨る。
    「や…てめぇ…」
    実弥も体は鍛えているが体育教師のそれは筋力だけではないらしく、腕を両手でベッドに縫い付けられると微塵とも動かせない。
    「キャンキャンとよく吠える」
    義勇はそう言うとチラリ、と足元に置かれているケージを見遣る。犬はきょとんとした目で二人の人間を見ている。
     
     これは俺の男だ

    謎の宣戦布告を心の中でぽめらにあんにすると、義勇はもう一度、実弥の唇を塞ぐ。
    今度は優しく、甘く、蕩けそうなキスだ。
    実弥の口内の善いところを舌先でなぞる。
    同時にシーツに縫い付けた片手を離し、シャツの中に指を忍び込ませ、ゆっくりと胸の先端を撫でる。
    義勇が実弥の口内に粘つく唾液を注いでやると、こくん、と喉を鳴らせてそれを飲み込む。
    今度はその喉仏を包むように舐め上げる。
    ふるり、と喉仏が震える。
    そこから首筋に舌を這わせると、同時にシャツの中に入れた指先で胸の先端を軽く摘む。実弥の息が荒くなる。
    首筋から耳へと唇と舌と鼻息を這わせた時。
    「あ…あぁ…」
    実弥の甘い声が漏れる。
    その声を漏らした瞬間。
    ぎゅ、と胸の先端を強く摘む。
    「…っ!…ったっ…!」
    ぎゅうう、と更に強く先端を摘み上げると、痛さに涙の滲んだ目で実弥が言う。
    「一体何するんだァ」
    しかし義勇は無言のまま答えずシャツをたくし上げると、今度はその強く摘んだ先端を、唾液を含んだ舌で、ぬるり、と優しく舐める。
      
     たくし上げたシャツの中に義勇は潜り込む。
    指と舌で胸の先端を愛撫し続けると、跨った股間のそれは形と硬さを変えいくのがわかる。
    胸の先端の輪郭をなぞるように舐め、吸い上げながらゆっくりと義勇は腰を振る。
    ざ、ざ、というお互いの布が擦れ合う音に混じり、ぴちゃぴちゃ、という唾液の音が響く。 
    「ん…は…ぁ…」
    思わず漏れた甘い声に実弥は先程の痛みを思い出し、びくり、と体を強ばらせる。
    義勇はその様子を見、胸から顔と手を離すと実弥のシャツを無造作に剥ぎ取る。 
    半裸の実弥は義勇を見上げる。
    普段でもその顔つきから何を考えているのかは掴みにくいが、今はもっとわからない。
    義勇は半身を起こし、無言で腰を振る。 
    互いの硬いものが布越しに擦り合う。
    掌はさわりさわり、と胸の先端を撫でる。
    そろそろ下も触ってほしい。
    布越しではなくて…。
    「あ…ぎゆ…あ…ん…」
    甘い声が荒い息に混じる。
    その刹那、びゅ、と両方の胸の先端を引っ張り上げられる。
    「ん…っ!んんっっ!」
    また痛みが与えられる。
    じん、と胸の先端が痺れる。
    「てめぇ、さっきから」
    と、実弥が言いかけると、義勇は腰を少し浮かせ、ずるり、手を下着の中に入れる。
    その指先は迷うことなく実弥のそれに触れると先端のぬめりを指に纏わせ全体を包む。
    くちゅくちゅと卑猥な音が部屋に響く。
    甘い声を出すことに躊躇する実弥ははぁはぁと荒い息だけを吐く。
    片手で実弥のそれをゆるりと扱きながら片手で自分のジャージを下げる。
    股の付け根まで下ろすと義勇のそれが、ぶるん、と天井を向いている。
    義勇は実弥の下着の中から手を引き抜くと、自分の猛ったそれの根元を持ち、実弥の唇にあてがう。
    「…ふ…ぐ…」
    平均よりも大きい義勇のそれが口いっぱいにねじ込まれる。
    「しゃぶれ」
    義勇は実弥を見下ろしながら言う。
    「上手くできたらご褒美をやる」
    ぐ、と更に深く口内にそれを押し込む。
    「…ぐっ…ぉぇ…」
    喉の奥にそれが当たり、締まる。
    「あぁ…気持ちいい…」
    ぐいぐいと先端を喉奥に押し込みながら義勇が言う。
    「ふ…ぐ…ぅ…ぇ…」
    涙と涎で実弥の視界がぼやける。
    義勇は腰を動かしながら上気した顔で、はぁはぁと荒い息を吐き、実弥を見下ろす。
    「良い子だ、実弥」
    ぶるん、とそれを実弥の口内から抜き、白銀の髪を愛おしそうに撫でる。
    「は…は…さっきからてめ」
    実弥は言い掛けるが、その唇に優しいキスを義勇が落とす。
    「ご褒美だ」
    切長の目で実弥を見る。
    実弥はその目に釘付けになる。

     悔しいけどこの顔で言われると抵抗できねェ…

    義勇はベッドの上で足元まで移動すると、実弥のズボンを下着ごと剥ぐ。
    「こんなになってるぞ、実弥」
    すでに濡れぼそっている先の露を義勇は指で掬い取り、実弥に見せる。
    にちゃ、と音を立てて指と指との間で糸を引く。
    その指を口に含む。
    「実弥の味だ」
    とろり、とした顔で義勇が言う。

     たまんねェ

    その顔を見ているだけで実弥は射精しそうになる。
    義勇は口内にそれを行き渡らせると、ごくん、と大きな音を立てて飲み込む。
    「もっと欲しい」
    そう言うと舌先で溢れる露に触れる。
    舌先から糸を引く。
    じゅる、とその糸を絡めるように口に含む。
    「美味しい」
    独り言のように義勇は言うと、舌を実弥のそれの裏筋に沿わせ、下から上へと舐め上げる。
    「…ん…ん…」
    甘い声からの痛みを教え込まれた実弥は腕を噛みながら声を押し殺す。
    「気持ち良いのか?」
    腕を口に押し付けたまま、実弥はこくこくと頷く。
    「俺の大事な体に無断で傷をつけるな」
    ぐい、と腕を引き離される。
    その言葉を言う時、いつもよりも強い視線になることを実弥は知っている。
    「もう我慢しなくていい。声を出せ。聞かせてくれ、お前の声を」
    そう義勇は言うと、舌先を固め、チロチロと実弥の先の小さな穴に舌を押しつける。
    「は…あ…」
    実弥は解放された自分の声を聞きくと行為の実感が湧き、頭がくらくらとしてくる。
    「大きな声で聞かせてくれ」
    義勇は実弥の根元を持つと、そのすべてを口内に含む。

     あぁ…あったけェ…

    その熱で、とろり、と自分のすべてが蕩けるのを実弥は自覚する。
    じゅる、じゅふ、ぶちゅ…
    と、いつもより下品な音を立てて義勇は実弥のそれを頭を振り愛撫する。
    「あ…っ…ああ…っ…ぎゆ…あんっ…あぁぁんっ」
    解放された自分の声に更に実弥は興奮し、自らも腰を振る。
    自分のモノを咥え、一心不乱に快楽を与えてくれる恋人の姿を見る。
    黒い長髪が乱れている。
    その髪を掴み、義勇の頭を上下させる。
    ぴたり、と義勇の動きが止まる。
    「え…」
    達しそうになっていた実弥は冷たい空気にそれが触れると、一瞬で冷静になる。
    「四つん這いになれ、実弥」
    四つん這い、と言う言葉に実弥の喉がヒュッと鳴った。

     「もっと尻を上げろ」
    枕に顔を押しつけて実弥は尻を高く上げる。
    「良い眺めだ」
    義勇は実弥の尻を撫でる。
    そして、ちらり、とケージを見る。
    ぽめらにあんはちょこんとお座りをして、人間の不可解な行動をきゅるんとした目で見つめている。
    「お前は童貞か?…いや、処女?」
    突然の冨岡節に実弥はくく、と笑う。
    考えれば数日、こいつと笑い合っていなかったな、と思い返す。
    「そいつはオスだァ。そンでたぶん童貞ィ」
    尻を撫でられながら実弥が言う。
    「そうか、童貞か」
    いつもの義勇に戻ったようで実弥は少し、気持ちがほぐれる。
    「ならよく見ておくことだな」
    義勇がぽめらにあんに言う。
    ぽめらにあんは、きゅ、と首を傾け「?」の顔をする。
    「好きな人を気持ち良くさせてやるのは男として当然だからな」
    義勇はそう言うと、尻にキスを一つし、そのまま唇を下に動かせる。
    「…あ…ぎゆ、だめェ、シャワーしてねェ」
    その行為に次の何かを察した実弥がもじもじと体を動かして言う。
    「動くな」
    僅かに唇を離し、義勇が言う。
    その声の響きが尻に当たり、ぞくり、と実弥は快感を感じる。
    「だめだァ…汚ねェ」
    じりじりと体を動かし、逃れようとする。
    体育教師が腰に腕を回せば、身動き一つ、出来なくなる。
    「や…だめェ…」
    「お前の体に汚いところなどない。仮にあっても俺には汚くない」
    義勇が言う。
    「全部…綺麗だ」
    その言葉が耳に、尻の皮膚に、心に、響き実弥を震わせる。
    「やァ…ぁ…ん…」
    実弥の後孔を義勇の舌が這う。
    ねちょ、ぬちょ、と粘った音がする。
    「は…ぁ…あぁ…」
    穴の周りを舌が這いずる。
    優しく舐め、時に吸う。
    「ん…は…」
    ぐりぐりと尖らせた舌先がその穴の入り口を探れば、実弥は、くたり、と力が抜ける。
    「あ…あ…ぎゆ…ん…」
    体も心も溶け、恋人に委ねる。
    頭も体も真っ白になる。

     色素の薄い体の中でもそこは特別綺麗だと、義勇は思う。
    初めて実弥のそこを見た時、あまりの美しさと愛おしさで自分の赤黒く猛った欲望で汚していいものか、一瞬迷ったほどだ。
    薄い桃色のそこは義勇の欲をねじ込むと、色を濃くし、赤く染まる。
    そこを唇と舌で味わう。
    ぺちゃ、ぬちゃ、と唾を出して舐めるとそのうちに実弥の中からも僅かに体液が滴り、混じる。
    唇を離せばすでに実弥のそこは仄かに赤く染まりつつある。
    にゅるり、と人差し指を挿入れれば、ぷつり、と難なく飲み込む。
    「あ…っ…」
    ひくん、と実弥の尻が跳ねる。
    指を奥に伸ばす。
    「あああ…あぁ…」
    人間の言葉を忘れたような声で実弥は応える。
    「今からお前の善いところを突いてやるからな」
    と、義勇が宣言すると、ひん、と実弥は喉を鳴らす。
    何度も肌を重ね、互いの善いところは知り尽くしている。
    しかし。
    ぐ、と指を曲げ、そこに当てる。
    「あぁっ…あん…あぁぁぁぁ」
    この声を何度聞いても義勇は昂り、同時にどうしようもなく恋人が愛おしく、可愛く思う。
    「ぎ…ゆ…あ…きもち…ぃ…」
    挿入れた指を、ぎゅうう、と締めつける。
    心も体も弛緩した恋人の愛おしい穴に指をもう一本挿入れ、ゆっくりと出し入れする。
    「は…あ…ああ…ん…」
    ぐちゅぐちゅと中から音がする。
    「実弥、可愛い、実弥」
    ずるずると出し入れする指に実弥から溢れた粘液が絡みつく。
    実弥はふるふると小刻みに震え出す。
    「イクのか?イッていいぞ」
    恋人の姿に義勇の声も昂る。
    「やだァ…ぎゆ…の…でイクぅ…」
    甘いおねだりをされると、義勇のそれも大きさを増す。
    「俺の何でイキたいんだ?」
    実弥から聞きたい。
    「ぎゆの…おっきいのォ…」
    「それだけじゃわからないな」
    実弥から欲されたい。
    「おちんちん…欲しいィ…挿入れてェ…」
    ああ。
    「良い子だ。ご褒美だ」
    ぬぷり、と指を抜くと、ぽかり、とその形に開いた穴を見る。
    ここを。
    「挿入れるぞ」
    俺の。
    「あぁ…」
    形に。
    全部。
    お前の全部を俺の形に。
    ずるり、ずるり、と後孔を拡げながら侵入していく。
    「ぎゆ…っ…あ…ああ…」
    挿入いっていくたびに、ひくん、ひくん、と実弥は震える。 
    「奥まで…挿入った…」 
    ぴたりとくっついている結合部が愛おしい。
    「動くぞ」
    そう言うと義勇は実弥の尻の肉を掴み開かせ、結合部分がよく見えるようにしてから、腰を動かす。

     カーテンの隙間からオレンジの光が差す。
    「…留守番できるのは夕方までだったな」
    くたり、と腕枕で微睡んでいる恋人に向かって義勇は言う。
    「…あー…そうだなァ」
    ケージの中のぽめらにあんはとっくに二人の行為に飽き、惰眠を貪っている。
    「悪かったァ」
    ぼそり、と実弥が言う。
    「ちゃんと言えばよかったァ。犬が苦手だってわかってて預かるの、何か悪ィ気がして」
    義勇は腕枕の手を曲げ、ふわりとした白銀の髪を指先に絡める。
    「…言いづらかったのは犬だけか?」
    短髪の黒髪が義勇の脳内にチラつく。
    「あ?なんだァそれ」 
    大きな目を更に大きくして実弥が問う。
    「その…お前の友達…?」
    「匡近ァ?」 
    実弥の口からその名前が出ると、ずきん、と義勇の心臓は痛む。
    「いや…」 
    義勇は心のモヤをどう表現していいのか、語彙が追いつかない。 
    「その、これからもあるのだろうか」
    「なにがァ?」 
    話が掴めない、というような顔で実弥は義勇を見る。
    「お前が…ぽめらにあんを預かることが」
    まさちかの、とは言いたくはなかった。
    「ああー。ねぇんじゃねェ?いや、あるかも知ンねぇけど可能性は低んじゃねぇかなァ」
    天井を見上げて実弥は言う。
    「なぜそう言える?」
    だってまさちかはお前の。 
    「…たまたまよォ」 
    実弥が話しだす。
    「匡近の出張と彼女サンの親戚の法事が重なっちまって、出張も急だったからペットホテルも取れなくて」
    「え」
    義勇は声が思わず出る。 
    「彼女、さん?」
    あ?と実弥は言うと、
    「匡近、彼女と同棲してるゥ。てか来年結婚決まって」 
    がばり、と義勇は半身を起こすと実弥の肩を持つ。
    すこん、と腕枕を抜かれシーツに、こてん、と頭が落ちる。 
    「な、なんだァ?」
    「結婚する相手がいるのか」
    あぁ、と実弥は義勇の勢いに面くらいながらも頷く。
    「同棲…。ではお前が家に遊びに行っても二人きりには」 
    「匡近も自分の彼女と俺を二人きりにはしねェよ」
    はぁ、と義勇は息を吐く。
    何か実弥は自分の言葉の意味を取り違っているようだが、そこは問題ではない。 
    「良かった…」
    そう言うと義勇は実弥の肩を掴んだまま、そこに顔を埋める。 
    「え?お前匡近の結婚がそんなに嬉しいのォ?」
    実弥は恋人の安堵に「やっぱりこいつの考えてることはわかんねぇなァ」などと、呑気に思うのだった。
     
     ケージからぽめらにあんを出すというので、義勇は実弥宅から辞することにした。
    寝室を出る前に眠りから覚め、体をぶるっと震わせるそれに義勇は言う。 
    「いいか、わかっただろう?俺はあいつの恋人でこういう関係もある。潔く諦めろ」 
    濡れた黒飴の目には、またしても「?」の意思が宿る。
    「ぷっ…犬に妬きモチかよォ」 
    「先に挑発してきたのはこいつだ」
    至って真顔で言うのだが、実弥も恋人の嫉妬に悪い気はしない。
    「まぁこいつとの同居生活も明日までだァ。彼女サンが迎えに来るってェ」
    そうなのか、と義勇は言う。
    ここに迎えに来るのか?と確認すると、そうだ、と実弥が答える。お迎えの時間を義勇が聞くと、その時間に自分もここにいる、と言う。
    「なんでェ?」
    と実弥は言うが、義勇も何故なのかははっきりと言葉にできない。だが、何となく自分の存在を知らしめたかった、というのが本当のところではあったのだ。

     帰路、義勇は何か大事な何かを失念していたような気がしていた。
    それはいつから感じていたのか、脳内を整理する。
    カフェは違う。実弥の家に行ってからだ。実弥の家。今日は寝室にしかいなかった。
    寝室。
    寝室にいたものは。
    俺たち二人とケージに入ったぽめらにあん。ケージに入ったぽめらにあん?
    ふ、と思い当たった。
    そういえばー
    ペット監視用のカメラの映像はスマホで見られると言っていたがー
    それはー

     やっと取引先から解放された匡近はホテルで一息ついていた。
    明日は彼女が実弥宅から愛犬を引き取りに行く。 
    実弥も今日は休みだと言っていたから取引先との会食の最中にスマホの映像を起動しなくても安心できた。
    まぁでも。
    一日一回は愛犬の様子を見たい。
    彼女には流石に実弥の寝室を見せるわけにはいかないので、映像の共有は匡近と実弥だけの設定だ。
    スマホを起動する。
    映像を見る。
    その映像ではー
    「?…」
    べッドの足元が少し映る画面では、四本の足が映っている。恐らくどちらも男の足だ。一つは実弥、もう一つはー
    「いやぁー」
    匡近はぽりぽり、と頬を掻く。
    「なんか…悪かったな、実弥…」
    そう匡近は呟くと、そっと映像画面を閉じた。  

     まぁそれもー
    義勇は思う。
    「まさちか」がどんな映像を見てるかはわからないがー
    恐らくカメラの位置的に全貌は映ってはいないだろがー
    実弥がこのことに気づかないなら黙っておこう、と思う。そしてその行為で少しばかり義勇の自己顕示欲が満たされるのであった。



     
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