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    しょーきち

    @syo_3410

    筆が乗る時にカキカキしては
    コソコソ上げます。

    Twitterで垂れ流してたもの、過去作含め
    R18はパス掛けで。


    うーん……と思ったものは消すかもしれませぬ


    カキカキしてるもの↓
    ◾︎人狼ジャッジメント

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    しょーきち

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    人狼J ニックリ 小説

    人狼ジャッジメントの人狼ゲーム中の
    1夜のお話です。

    逃亡者のクリスとニックのお話です。
    その他役職は読めばわかると思うので
    伏せます。

    #人狼J
    humanWolfJ
    #人狼ジャッジメント
    werewolfJudgment

    逃亡の行方「……クリスちゃん?」

    スっと部屋の前で立ち止まると
    部屋の中からかけられる声。

    毎度毎度、
    良くもまぁ扉前で気づくもんだと関心するのだが
    今日はお出迎えがないな?と笑ってしまう。

    「おー、今日も……」

    「入ってくんなよ?」

    食い気味に部屋の中から聞こえた
    緊張と怒気を孕んだような声に思わず固まる。
    部屋の扉に手をかける前に
    飛んできたその声はなんだかいつもと様子が違う。

    それに……違和感が……

    「は?何言って……」

    「今日は来ないでって言わなかったっけ?」

    確かに、夕方にクリスに向けて
    今日は来るなとニックは言っていた。
    いつものからかうような笑顔で
    サラッと言うもんだから冗談なのかと思っていた。

    それにクリス自身が
    他の人のところに行くつもりなんて微塵もなく、
    どうせ死ぬなら好きな人のところで…
    と思いその言葉を無視してここまで来たのだ。

    「それとも何?昨日のこと思い出して来ちゃったの?」

    「……は?」

    「何?本気にしてたの?
    俺がお前を守ってやるなんてベッドで吐いた
    そんな甘い言葉を??」

    嘲るように笑う
    聞きたくもない声がドア越しに聞こえる
    愛しい人の声は今はもう同じ人だとは思えないくらい
    歪んでしまっていた。

    「ニック……お前……」

    「別に、退屈しのぎだよ。
    クリスちゃんも楽しかったろ?」

    信じたくない……そんな聞きたくも無い言葉を
    振り払うように首を振ると
    扉を見つめノブに手をかける。

    「んなことドア越しに言われたって
    なんとも思わねぇよ。顔見せろ。」

    「それにお前はもう『用済み』」

    言葉がナイフのように
    心に突き刺さり、ノブに触れた手が止まった。

    『用済み』それは昨夜心を許し
    体を預けたからなんだろうか…
    ことが済めば用済み…?

    「……用済み?」

    「別にクリスちゃんじゃなくてもよかったんだよね、
    溜まってたし。」

    お前の身体だけが目的だった
    という事なんだろうか。

    だとしたらとんだ役者じゃないか。
    遊び相手にまで
    優しく甘やかすようなことを
    平気でやってのけるのだから。

    「良いからもう来るなよ?
    別の子の御相手をしなきゃなんねぇからな。」

    そうなのだ、ドアの向こうに気配がある。
    好きなアイツとは別の…

    それに、二人きりの時
    ニックはいつも「クリス」と呼んでいたはずだ
    最初から……誰かいたのか。

    「そう……か。」

    ギリギリ振り絞った声は震えていたと思う。
    ただただ悲しかった。

    死んでもいい。
    ニックと共に居たいという些細な願いさえ
    本人によって拒否されてしまっては
    どうしようもないのだから。

    溢れそうになる涙を堪え
    ドアに背を向け歩き出す。

    遠くなるその気配に

    「ゴメンな……」

    と呟かれた声は聞こえない。

    ーーーーーーーーー

    「あーあ。良いのかな?あんな事言っちゃって」

    クスクスと
    目の前のそいつは笑う

    「うっせぇな」

    鋭い爪といつもとは違うその眼光に
    ブワッと背中に逆毛がたつように
    嫌な雰囲気を感じる。

    「かわいそ。クリス泣いちゃうんじゃないの?
    他の人に慰められて、取られちゃうかもよ?
    僕が慰めてあげようかな……
    昨日のニックの相手は僕だよって」

    「うっせぇってんだよ」

    んなこと、許してたまるか。
    やっと手に入れたんだ。
    でも、一緒に死にたいなんて思わない。
    こいつに殺されるくらいなら……

    クリスの泣きそうな顔が
    頭をよぎり、ぐっと手に力を入れ
    そいつを睨み返す

    「あ〜怖い怖い。でも感謝してよね、
    終わるまで黙って待っててあげたんだから。」

    「来ると思ってたんだよなぁ……クソ」

    余裕そうに爪と牙をギラつかせながら
    こちらをニヤニヤと離れて見ていたのは
    正しく目の前のこいつなのだが
    餌が1人増えるか増えないかを
    待っていただけだろう。

    相手を睨みつけながら
    クソみたいな笑顔を作ってみても
    まぁ勝てるわけはない。

    「僕に喧嘩売ってきたもんねぇ…?ニック?」

    「おー……嫌な予感ドンピシャだわ。
    こういう時だけ勘がいいんだよなあ……
    狐見つけたり
    狼当てたりとかな。」

    「この状況でも口は減らないって?
    ふふ、勘づかれたのほっとくほど優しくないし
    さっさと僕の餌になってね?」

    「はぁ?はいそうですかーって聞けるわけねぇだろ」

    余裕そうに近づいてくるそいつから
    目を離すことなく
    自分は死ぬのだと実感する。


    『これでいい。』

    『アイツだけは……』

    目の前まで来たそいつの
    憎たらしい笑顔とニックに降ろされる爪を見ながら
    ニックは手に力を込める。

    「さよなら〜♪」

    首から腹にかけて振り下ろされた爪は
    ニックをしっかりと切りつけた。

    その瞬間ニックは真っ直ぐに
    相手に向かって拳を放った。

    「なっ!?」

    立っているのもしんどい
    視界が曇る
    血も止まることは無い。

    ドクン……ドクン……と
    脈打つように血が溢れてくる。

    反撃に驚き、背中を床に着けた相手の前に立ち
    ゆるっと構えると
    ニックはその拳を叩き込んだ。

    「お前も一緒に来るんだよ……フレディ」


    『これでいい。』


    相手が力尽きるのを見届けて
    ニックは膝から崩れ落ちた

    「生きろよ、クリス……」


    【ニックは襲撃されました】
    【フレディは襲撃されました】


    人狼キラーニック×逃亡者クリス
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