きらきら 「……これ」
たまたまグリーンに頼まれて、マサラの方のグリーンの家に来た時だった。今でも丁寧に整えられているグリーンの部屋に数年ぶりに入ったときに、机の片隅に丁寧にガラスケースに入れられたリーフの石を見つけた。ケース自体は少しだけ埃をかぶってるけど、中の石は変わらずに輝いている。ちょうど窓からの日光を浴びてキラキラと反射していた。緑色が床に散乱している。
「あ、それ」
後ろからついてきていたナナミちゃんが僕の目線を追ってから、お盆に乗せていたお茶をテーブルへと置く。
「覚えてない?」
そんなセリフに、きっと僕が関係することなんだろうなと想像はついたけど生憎思い当たる節はない。
グリーンのことだから、イーブイの進化を確かめたくて購入したのかと思っていたけれど、目の前に立つ恋人の姉はどうやら違う事象を思い浮かべているらしい。
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