かみさま、どうか、どうか月みたいにキラキラと眩しいその髪が
慈しむように優しく紡がれるその声が
好奇心に桃色に染まるまろいその頬が
世界中の素敵をあつめて輝くその瞳が
ほんとうに
ほんとうに
うそみたいにきれいで
『ウォロ!』
かみさまをみつけたような
そんな、すくわれたきもちになったのなんて
貴女はきっと、知りもしないのでしょうね。
◇
ウォロという少年は。
引っ込み思案で
変化が嫌いで
陰気で
辛気臭い
概ね誰に聞いてもそんな印象の子供でした。
まあそれも仕方がないかも知れませんね。
なにせ僕の頭の中には“この世界の人間ではない誰か”生まれた時から住み着いていた訳ですから。
いや、事実は小説よりも奇なりといいますか、ある意味お約束とでも言いますか。
可笑しいのは世界なのか、はたまた“ジブン”なのか?
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