妖精と妖精が交流する話(トムテとブギーマン)トムテとブギーマン
「ブギーマン先生! 今日もご苦労さまだ!」
「あぁ……君か。おつかれさま」
私ひとりしかいない教室に、はつらつとした声が響き渡る。すっかり聞き慣れたその声を聞きながら、私は目の前の答案から顔を上げて声の主を出迎えた。
声の主はトムテという妖精であり、私と同じ「転光生」だ。ここ神宿学園からほど近い東京サンタスクールに通うサンタ科の生徒であり、トップブリーダーと呼ばれているらしい。そして私と同じ青年と契約を結び、召喚主に喚ばれ共に戦う事がある。彼とは「縁」らしい「縁」は無く、戦友でこそあれど接点は無い……筈だった。
「ブギーマン先生……今日はなんだか、元気が無いな。もしかして、疲れているのか?」
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