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    misaka_mh

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    misaka_mh

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    ミス(α)オエ(α→Ω)。巣作りできないオエ(番になったけどふたりとも気づかない)編。3。
    ちょっとスノオエ

    ヒートが終わって、ようやくオーエン晴れ晴れとした気持ちで部屋を出た。αがうろうろしているようなこの魔法舎でヒートのΩが徘徊するなど自殺行為だった。ミスラに抱かれてしまったが、その程度で済んでよかったとも思う。

     酷い目にあったから、たらふく甘いものを食べたい。ネロを捕まえてあのふわふわとした死人の顔みたいな色のやつを作らせようかと、階下へ向かおうとしたら、突然背後から現れた双子に両腕を取られ、けらけら笑いながら彼らの部屋に連行された。

    「おはよう、オーエンちゃん」
    「調子はどう?」
    「さっきまではよかったよ」

     双子はオーエンをベッドに座らせた。ヒートを脱したとはいえ今のオーエンはΩだ。それを知るαにとっては捕食対象だろう。いつでも逃げられる用意をしていたら、「ストップ、ストップ」などと二人は慌てた風を装って言った。

    「とって食ったりせんから安心せい」
    「優しい我らがアドバイスしてやろうと思うてのう」
    「余計なお世話」
    「そうか?」

     瞬きひとつの間に姿を変えたスノウが、オーエンの顎を掴んだ。その目を見た瞬間、止めることも拒絶することもできなくなり、あまりにもあっさりと唇を奪われる。

    「スノウ」

     ホワイトの咎めるような声もため息が混じったものであれば強制力もない。口の中にぬるりとしたものが入ってくる。舌を噛んでやろうとしたら顎を掴む手に更に力がこめられて叶わない。

     厚い舌が口内を蹂躙していく。ミスラのようにただ奪うのではなくオーエンの弱いところをくすぐって、じわしわと快楽を引きずり出してくる。

    「んんっ……うっ……はぁ……」

     頭がぼうっとする。身体の奥に熱を感じる。もっと欲しくて、スノウの背に手を回した。

    「こら」

     ぺしりと手を叩かれて、オーエンは一気に頭が冷えた。スノウの身体を押し返すと、あっさりと離れていく。スノウもまたホワイトに頭を叩かれていたのだ。

    「こういうこともあるから、気を付けるんじゃよ」
    「それを言うだけだというのに、やりすぎじゃ」

     大きなスノウが身体を小さくさせて、小さなホワイトの説教を受けていた。
     オーエンは口元を拭いながら呆然としていた。恐らくスノウはオーエンの意識が鈍くなるよう少しだけ魔法をかけていた。けれど、それだけだ。スノウの口づけを受け入れたのも、快楽に流されそうになったのも、忌々しいαの身体の所為だ。

    「これ、どうしたら治るの?」
    「分からんのう」
    「我らも気にしておくが、そなたも気を付けるんじゃよ、オーエン。うっかり孕みでもしたら、次の大いなる厄災との戦いに支障が出る」

     は、と笑おうとした。けれどそれが酷く引きつった笑みになったのは流石に自覚した。

    「魔法を使えばΩということは隠せよう。常に気を張っておかねばならんが」
    「わざわざ、Ωであることを隠しているのを見破る魔法を使うものもおるまい」

     どういう意図かは分からないが長命な魔法使いの助言だ。それも相手が予言を得意とするスノウとホワイトの双子だ。気に留めておくべきだとは分かっていた。

     どうしてΩになってしまったかは分からない。だが、戻るまでは他の魔法使いたちを欺くしかない。そうでなければ、今スノウがやってみせたことがまた起きてしまう。

     折角の晴れ晴れとした気分が台無しだった。
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