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    @94_ROM_12
    稲妻の目金君関連のみ

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    2月末に書いたss。ゲーム版大人目金君が深夜に一人でコンビニに行くだけの話です

    #目金欠流
    ##CP無し

    深夜の夜空「うー、寒い!寒過ぎますよ……」

    日はとうに落ち、月が空の天辺で淡い光を放つ深夜の稲妻商店街にて。目金は一人アジトから少し離れた位置にあるコンビニへと歩みを進めていた。
    ゲーム制作の追い込み期間に突入したメガネハッカーズは連日アジトに泊まり込み作業をしているのだが、その間付き纏う問題の一つが食料の確保である。昨今急速に発展したデリバリーサービスも利用しているのだが、泊まり込み期間が長くなるにつれコンビニにしかない冷凍食品やカップ麺といったチープな食べ物も恋しくなってくるもので。そんな三人のコンビニ飯欲がピークに達したのが数分前で、こんな夜中に外に出たがる物好きは当然いない為買い出し担当を決めるジャンケンを行なったのだ。その結果、買い出し担当に選ばれたのが目金であった。

    「あの二人にはリーダーを労るという考えが無いんですかねえ」

    ぶつくさと愚痴をこぼしながら目金は歩き続ける。買い出しメモには遠慮などは一切感じられない大量の買い出し希望商品一覧が記されており、大きめのサイズのビニール袋を貰わなければ持って帰れないだろうと商品を手に取る前から確信を得られる程の品数であった。はあ、とため息を吐くとその吐息をかき消すかの様に突風が辺りを吹き抜け、その風の冷たさに目金は身を強張らせ思わず歩みを止める。

    「〜〜〜っ、ああ、もうっ!」

    あまりの寒さに何処にも向けられない怒りが湧き上がり、目金は天に向かって苛立ちを吐き出す。

    「___、あ。星」

    そのまま仲間への苛立ちの言葉が吐き出される筈だったその口からは、先程まで意識の外にあった煌びやかな星空への感嘆の声が漏れ出た。

    「あれはシリウス、いやペテルギウスですかね」

    煌々と光る星々の美しさに目金は足を止め夜空を見上げる。昔星座をモチーフにした漫画の為に身につけた知識を頭の隅から引っ張り出し、今自分の目に写っている星の正体に目星をつける。都会育ちというのもあってか星座に対して強い関心を抱いたことはなかったが、こうして街灯に負けぬ強い輝きで光る星々を見ていると光度の大きい恒星くらいは見分けがつく様にしておいた方が楽しいかもしれないと目金は一人思考を巡らせる。

    「折角ですし星座を絡めたゲームとか作成出来ませんかね。各星座の力を授かった少年たちのサッカーに纏わる物語……ふむ、会議にかけてみる価値はありそうですね」

    ふと湧いてきたアイデアを練り上げようと思考の海に潜っていると、目金を嗜めるかの様にまた強い風がその身に吹き抜けた。

    「あー、そうでした。コンビニに行かなくては」

    へくちゅ、と見る者によってはあざといと言われかねないくしゃみをし、目金は再びコンビニへと歩み始める。こんなに冷え切ってしまったのだから自分の為だけに肉まんを買ってもいいだろうと、誰に向けるでもない言い訳を重ねる。目金は今自分の体をあっためるのに最もふさわしいホットスナックは何か、脳内でリストアップをし、くつくつといたずらっ子の様な笑みを浮かべた。
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    REHABILI「嘘はまことになりえるか」https://poipiku.com/4531595/9469370.htmlの萌目の2/22ネタです。22日から二日経ちましたが勿体無い精神で上げました
    猫の日「……えっと、つまり。漫画君は猫耳姿の僕を見たいのですか?」
    「今日は2月22日だろう?猫の日に因んだイベント事をこう言う形で楽しむのも、恋人がいるものならではの体験だと思うよ」

    2/22。2という数字を猫の鳴き声と準えて猫の日と呼ばれているこの日。そのイベントに乗じてインターネット上では猫をモチーフとしたキャラクターや猫耳姿のキャラクターが描かれたイラストが数多く投稿されている。そして、猫耳を付けた自撮り写真が数多く投稿され、接客系のサービス業に勤めている女性達が猫耳姿になるのもこの日ならではの光景だろう。
    古のオタクを自負する萌にとって、猫耳とは萌えの象徴であり、身に付けたものの可愛さを最大限までに引き出すチートアイテムである。そんな最強の装備である猫耳を恋人にも身につけて欲しいと考えるのは自然な流れの筈だ。けれど、あくまでそれは普通の恋人同士ならの話。萌と目金の間に結ばれたこの関係は、あくまで友として萌と恋人のごっこ遊びに興じる目金と、目金に恋慕する萌という酷く歪な物であった。
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    DONE隠れオタクな弟とオープンオタクな兄の話。
    表現の都合上、少し古いオタク観が出てきますが『00後半〜10年代前半のオタク観にVカルチャーが現れた世界』だと思って読み進めて下さい。
    隠れオタクとオープンオタクオタクとは。
    愛好者を指す呼称であり、特定の分野に過度に熱中し詳しい知識を持っている者を指すサブカルチャーの分野で用いられてきた言葉である。昨今では寛容に受け入れられる事の多いオタクではあるが、多感な学生達の中にはオタク趣味をバカにする者も当然存在する。そして、そんな学生達に馬鹿にされることを恐れ己のオタク趣味をひた隠す者も当然存在するのだ。かく言う雷門中に通う目金一斗も漏れなくその『馬鹿にされることを恐れているオタク』であり、所謂隠れオタクという存在であった。

    「なあ、第七人格ってソシャゲあるじゃん。あれ映画化するらしいぜ」
    「え、そうなんですか?」
    「あれストーリーとかあったっけ」

    さして興味のない流行りのソシャゲや芸能人をきっかけにバズった音楽、新発売のスニーカーの情報にまでアンテナを伸ばしそれらの話でクラスメイト達と盛り上がる。そんな涙ぐましい努力を重ね、一斗は日々学生生活を謳歌していた。
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