物思いに耽る「しかし、謀反に病気に、食あたり…とはな」
そう呆れてものを言うのは、三白眼が特徴的な淡い薄茶色の猫、織田信長だった。
「いやはや、まさか一度天下をとった我々が、こうもあっさりと消えてしまうとは!」
そんな達者なことを話すのは、毛深く茶色いサルの豊臣秀吉。
なぜサルが私たち猫と意思疎通ができるのか、
それはここが既に「あの世」だからなのだろう
私は彼らのことは昔から知っている
信長殿と初めて会ったのはまだ私が今川側の人質だったころ
手違いで尾張に流れついた私は、勢いよく湯漬けを頬張る彼に近づいた
その後、一時的に織田方の人質という形で保護されることになった私は、よく信長殿と鷹狩りに行っていた。
それから今川が討たれ、独立し始めたころに彼から同盟を結ばないかと提案された
1900