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    ot3bw7TFKCucVX9

    @ot3bw7TFKCucVX9

    500字以下で作成する事で質をギリ保つ、という縛りを自分に課してるのでね😉(頑張って1000字以下……かな、ここまでが作品の管理が出来る範囲だと思う)。

    なので長文書ける人は本当に凄いと思いますし、素直に尊厳してます。

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    ot3bw7TFKCucVX9

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    じiゅiそiゆじ×非i術i師寛の虎日

    閲!注
    ※じiゅiそゆじくんなので、人を選ぶ内容です
    ※ゆじくんは大i学i生くらいの年齢と思われる
    (自己責任でお願いします!)
    ※無駄に長い上に、いつも以上に文が荒れてる
    (というより読みづらいです)

    鈍い音と共に、脳に痛みが走る。

    「……っ…!」

    揺らされた脳に引っ張られる形で、身体が地面に叩きつけられる。
    拘束済の手足によって受け身を取る事も出来ないままに転がった。

    転がされた先は…コンクリートだろうか?
    目隠しをされているため詳しくは分からないが、地に触れたところから無機質な冷たさが伝わってくる。

    頭は変に冷静である一方で、身体の方はというと。

    「……、ごほっ…。」
    顔を殴られたせいで何か吐き出した。
    口の中が切れたらしく、鉄の味がする。

    そういえば鼻の辺りも痛い気がするし、なんなら全身色んな所が悲鳴を上げてる気すらする。

    …困ったな、きっと何処かしらは折れているのかも知れない。
    それにしても…スーツも汚れてしまっているんだろうなぁ。
    黒は意外と汚れが目立つからなぁ、クリーニングでも出せばまた着れるだろうか?

    明日以降も仕事はしっかりあるというのに…全く。

    そんな調子でどこか他人事のようにぼんやりしていると、今度は前髪を乱暴に鷲掴まれた。

    「んでー」
    頭上から聞こえる脳天気な声。
    「アンタはここで何してたのかなー?」
    見えずとも分かる。
    今、声の主はニヤニヤとした品の無い笑みを浮かべているのだろう。
    そして周囲からは、これまた下卑た笑い声が聞こえる。

    ふむ、場の雰囲気を察するにどうやらこいつらは俺を袋叩きにするだけでは飽きたらなそうだ。

    はぁ…本当に困ったもんだ。

    「弁護士だかなんだか知らねぇが、随分とここらをちょろちょろ嗅ぎ回ってるらしいじゃねぇか。え?」

    …別にそういう訳ではないんだがな。
    そもそも俺はお前らに興味も関心も無い。

    俺の目的はここらをねぐらにしているらしい"彼"を探しに来たことなんだが…まぁ、素直に言ったところで居場所を教えてはくれなそうだ。

    だから、仕方なく俺は純粋な疑問を相手に突き返してみた。

    「…なんだ、嗅ぎ回られて困ることでもしているのか?」

    しかし、聞き方が良くなかったのか。
    これが彼らには癪に触ったらしい。

    「っ!てめぇ…!」

    怒気と共に空を切る音が迫る。

    あ、流石にこれはまずい、と次の瞬間には訪れるであろう痛みを堪える為に目を強く瞑る。

    しかし。

    奴の怒気が俺に触れるよりも先に、何処かから湧いた殺意が口を開いた。


    【 捌 】


    風が吹いた。
    瞬間、柔らかなものが落ちた不快な音。

    ばちゃり。
    崩落音に重なるように、水溜まりの飛び散りが耳に届く。

    「アンタらさぁ…俺の玩具に何してんの?」

    聞き覚えのある声が。
    不機嫌さを一切隠さない、棘のある言葉を放つ。
    あらゆるもの全てを威圧するような存在感。

    あの声を知っている。
    けれども、漂う気配は全くの別人で。


    今この場に姿を現したのはー本当に…"彼"なのか?


    体内で痛みが渦巻く中、生じた疑問と困惑。
    何かしらその答えを絞り出そうと著しく回転数の下がった頭を回すが、答えに辿り着く前に気配の方が動いた。

    水溜まりの中を歩む音がこちらに近づいてくる。
    確実に意志を持って、俺の方へと歩みを進めてくる足音。

    "彼"なのだろうと心の中で思いながらも、体の方は恐怖に遭遇した時に近い反応を示している。
    恐怖で汗が滲むというのは、きっと今のような状態を指すのだろう。
    痛みを堪えるために流れていた冷や汗とは、別種の冷や汗が顎を伝っていくのが分かった。

    余りにもうるさく鳴り響く心音。
    異常に乾き出した喉。

    そんな俺を知ってか知らずか、気配は俺の真横で止まり、しゃがみ込んだ。

    「せーんせ、だいじょぶ?」
    「……虎、杖?」
    「もう、何カッコつけて無茶してんの、ボロボロじゃん。」

    心配と呆れた笑い声が降ってきた。
    相変わらず目隠しされた状態ではあるが、それでも分かった。

    それは…いつもの、俺が知ってるいつもの彼のものだった。

    「っ…すまん、迷惑を」
    「あ、そういうのいいから!それより!ほら、動かない!これ以上傷開いてもいいの?やでしょ?」

    ごめんね、ちょっと触るよ。
    そう言って虎杖が更に近付いてくる。
    大人しく待っていると、腹部の辺りに手の平を乗せられた。

    撫でるように、時には少し力を込めて損傷部位に触れてくる。
    拍子に小さく痛みが走り、情けなくも呻き声を上げてしまった。

    「…マジで派手にやったね?何本か逝ってんじゃないの、これ?」

    「すまん…本当に、弁解のしようも無いな。」

    今度は呆れた口調にため息が乗っていた。
    けれども、次に虎杖はこう呟く。

    そっかー。だったら仕方ないよなー、これも人命救助だもんなー。

    何故かそう呟く彼の声は心做しか、嬉しそうに聞こえた。

    そして、見えないながらにも今度は顔が近付けられた、気がする。
    鼻と鼻が触れる距離に虎杖の存在を感じた。

    …ところで、なんで未だに目隠し外されてないんだ、俺は。
    早く外して欲しいんだが。

    「んーと。先生、ちょっとだけ口開けて?ほんとにちょっとでいいからさ。」

    頬に…手、だと思う。
    触れられている感覚がある。

    それにしても、口?なんで今の流れで口なんか開けるんだ?
    よく分からんが…まぁ、虎杖にも何かしら考えがあるのだろう。

    この時、虎杖が"いつもの"自分がよく知る"彼だと分かって俺はホッとしてしまっていた。
    安心し切っていた。

    油断してしまっていた。

    だから、俺は不用心にも素直に言う事を聞いてしまったのだ。

    「こんなか……ん」

    開けた瞬間に口元に生じた、違和感。

    突如重ねられた柔らかな、という「何故、今?」な展開に頭がついていかず、悲しくも目隠しの下で目を見開くことしか出来なかった。

    それでなくとも拘束された上に現在進行形でポンコツ気味な自分に抵抗なぞ出来る訳もなく、口内を好きに弄ばれる始末。

    「ふ…っ、……ん…ぃた、…り……?」
    「んっ…いいから、このまま俺に任せて?」

    一回のキスの長さに酸欠になりかけるも、一度離して貰えたことが幸いだった。

    虎杖はこちらの強ばった身体を労るようにさすりながらも、彼は俺の身体に、先程同様に手を軽く押し当て始める。

    触れられた箇所には、少しずつ熱が集まる感覚があった。
    しかし、それが不快ということは決してなく、不思議と心地よい
    先程までの苦痛が嘘のように和らいでいく。
    肺を痛めながらしていた呼吸が、楽になるのが分かる。

    ……ただし、その代償に現在進行形で窒息死させられそうになっているのも事実だが。

    「…っは!ごほっ!…けほ。」

    ようやっと解放された口内を伝って、肺の中を新鮮な空気が通り抜ける。

    噎せる。いや、もう咳き込み過ぎて吐きそうだ。
    ただ噎せるにしても傷に響かなくなったのは、幸いだった。

    ちなみに、虎杖はというと。

    「あー!せっかくこの間付けた痕まで消えちゃってんじゃん!」

    この間付けたって、確か鎖骨……ってさり気なく、シャツのボタン余計に外したな?
    自然に手を入れてくるんじゃない…そう注意したいのは山々なのだが。

    如何せん、頭は回れど口がまだしっかり回らない。
    そんな俺はやはり、彼のなすがままを受け入れるしかなかった。

    「くそー、反転やっぱムズいなー。都合よく今のだけ治ってくれれば良かったのにー!」

    "アイツは上手くやるのに、なんで俺がやるとこうかなー?"

    文句を言いながらも尚、まさぐってくる。
    ……まさかとは思うが、傷の確認とかそういう理由で触れてるんだよな?

    視覚が奪われてる状態のせいか、いつも以上に…なんだか、変な感じがする。

    指が肌を撫でる度に、粟立つのを感じる。
    流石に我慢出来なくなって、つい声を掛けてしまった。

    「虎杖…ちょっと」
    「あ、ごめん。つい騒いじゃった…傷に響くよね、ごめん。」
    「ん、大事ない。」

    謝罪ということにしたいのか、それとも慰めのつもりなのか。
    目隠しの上の方、額の辺りでリップ音が聞こえた。
    どうやら、キスを落とされた模様。
    相変わらず、よく分からない少年だ。

    「そうだ。丁度いいから、このまま運んでいい?目隠しは後で外してあげるからさ。」

    言うは易し。
    こちらの返事をする前に、身体が宙に浮く。
    彼は、そこそこ体重のある俺の身体を軽々と持ち上げてしまったのだ。

    元より力持ちなのは知っていたが、まさかここまでとは思わず、戸惑いが隠せない。

    そんじゃ、ほら!

    「帰ろ、せんせー。早く帰ってちゃんと治さないと!明日、清水さんに心配されちゃうよ?」

    ケラケラ笑う少年には普段通りの朗らかさが戻っていた。


    この時、俺は余りにも元気に笑う虎杖に億して聞けず終いになってしまったことがある。

    まずは、あの奇妙な風。

    次に、彼が来た時に水気のある音がしたことだ。

    でも、俺が知る限りは彼が来る前に水溜まりのような場所はなかったと思う。
    少なくとも俺自身が転がされた時に触れた地面は、とても乾いていた。
    だから擦り傷も出来た訳だしな。

    だが、近付いてきた時に明らかに水溜まりを踏むような独特の音を聞いた。

    そして…彼が聞きなれない単語を口にして風が吹いて以降、何故他の人間の気配がしなくなったのか、ということだ。



    ※※※※※※※※※※※※※

    ー数日後、某所に提出された部外秘の報告書より抜粋。

    〇月×日深夜、某県内のある廃ビルが突如倒壊する事故が起きる。

    近くの住民に事故当時の話を聞くと、「その日はとても静かな夜だったのに、突然風のような音が聞こえた。急に強くなったから不思議に思ってたら、その直後に硬いものが崩れ落ちる音がした。」同様の話を多数聞く。

    また、同時刻、現場周辺を彷徨く人影を見た者が何人もいた(しかし、どの証言者も証言を取る時にどこか落ち着かない様子だったのが気になる)。
    「顔が黒く汚れた男がいた気がする。」「刺青に見えた」「誰かと喋っているようにも見えた。けどもそこには1人だけだった。」他には「おおよそ人とは思えない奴だった。もう嫌だ。口にするのも恐ろしい。何も話したくない。」と怯える者もいた。

    事故原因を探っていく中、倒壊した建物の下敷きになっていた幾つかの肉塊を発見。

    それは複数の破損した人体だった。
    更に調べていくと、それらは事故が起きる前には既になくなっていた模様。

    "魚の三枚おろし"。
    まさに、それをほぼ同時に人で行ったかのような鮮やかな切り口。


    以上の猟奇性と特異性から事件の公表を見送り、呪術規定に則り本件を呪術側に預けるものとする。

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