散兵様の哀別「スカラマシュ、おはよう!」
「……おはよう」
朝起きて、挨拶をして、返事がある。
それは当たり前のようなことで今まで気にも留めてこなかった。
だってそういったやり取りをするのは、家族だったり友達だったり、仲間だったり。
相手がファデュイだなんて、どこぞの公子でもない限り有り得なかったのだから。
「朝食なにがいい?やっぱり稲妻風?モンド料理にも挑戦してみない?」
「何でもいいよ……挑戦も何も、普通に食べているし。君より七国の食事には詳しいと思うけど?」
「じゃあモンド!待っててね〜」
ため息が聞こえる。わざと大きく吐いているな、これは。
しかし私は幸せいっぱい夢いっぱい状態なので全くもって気にならない。
スカラマシュと当然に朝を迎えているのだ、不満なんてあるだろうか?
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