空閑汐♂デイリー800字チャレンジ:EX「お前ら相変わらずニコイチなのな。まぁ、丁度良かったが」
廊下を連れ立ち歩いていた二人の男に声を投げかけたのは、彼らの担任である吉嗣宇浩で。吉嗣の声に仲良く足を止めた空閑と汐見は同じタイミングでくるりと振り返る。それはまるでダンスのステップのようで、吉嗣は喉でくつりと笑い声を漏らしていた。
「で、何すかセンセ」
「課題は出したと思うんですけど」
口々に問いかける汐見と空閑の言葉にひらりと片手を振りながら、吉嗣は彼らの答えを否定する。
「違ぇよ、お前らだけだぞ。飛行訓練の日程希望出してねぇの」
ため息混じりの言葉に彼らの声は「あぁ!」とユニゾンする。しかしそれでも彼らは不思議そうに一方は首を傾げ、一方は眉を寄せる。
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