ロナルドと場所を交代したドラルクは、ネギとニンニクと鷹の爪と花椒をフライ返しで焦がさないようにかき混ぜながら、大惨事になるのがわかっていたのに『だって、面白そうだったんだもの』が先行して強く止めなかったことを後悔していた。
「ヌヌヌヌヌン、ヌヌッヌ」
と、椅子に座るよう促すジョンの声が聞こえる。
チラリと見やると椅子に座ったロナルドの顔を、ジョンがティッシュにオリーブオイルを染み込ませて拭っているのが見て取れた。
本来ならひき肉を炒めて、豆腐を塩茹でして、それから今やっている作業をするのだが、ロナルドと分担しようとしたのが裏目に出てしまった。
「ありがとなジョン、ちょっと楽になった」
「ゴメンねロナルドくん、手が離せなくて」
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